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倉持side
倉 「なんかあったのかよ。御幸と。」
「…別に…。」
ちょっとくらい話を聞いてやろうかと思ったがそうだった。こいつが自分のことを話すわけがない。況してやキスされたことなど。
御幸が俺にカミングアウトしてしまったことは成瀬は知らないわけだから、俺が今どんな気持ちでこいつに気を使ってやってるか、分かりもしないんだろう。
倉 「なら、いいんだけどよ…。」
「あんまり無理すんなよ。」とグリグリと成瀬の頭を撫でてやれば「おじいちゃんみたい。」と少し微笑んだ成瀬。
倉 「お父さん、じゃなくて?」
「あー、うん。おじいちゃん。」
切なそうに笑う成瀬。どこまで踏み込んでいいかは俺には分からないが、そう言えば成瀬の話はほとんど聞いたことがない。
知っているのは御幸と幼馴染だということくらいだ。
倉 「成瀬、お前さ、なん 沢 「A先輩ー!取ってきやした!この靴ですよね?御幸先輩は留守だったので、こっそり忍び込んで取ってきやした!」
「でかした、沢村君。」
俺の言葉を遮り、帰ってきた沢村は大きな声で成瀬に靴を渡した。よしよしと頭を撫でらている姿はもう先ほどの例えが本物のよう。
そう、犬だ。
沢村はバカなのかもう成瀬の靴がどうして御幸の部屋にあるのか、などという疑問は頭から吹っ飛んだらしい。
ジュース奢ったげる、と財布を取り出す成瀬に、わーい、とついていく。
最近沈み気味だったけれどもいいきばらしにでもなっただろうか。
試合が終わり、落ち込んでから二日間ほどは本当にめんどくさかったから。
成瀬の話が聞けなかったのはまたでいいかと思いつつ、俺は嬉しそうに成瀬についていく沢村にドロップキックしながら俺も奢ってもらおうとついて言った。
成瀬はもう切なそうに笑っていなかった。
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あーちゃん(プロフ) - 105話、成瀬が倒れた(?)過程がないので、ちょっと分かりにくいです(・・;) (2023年1月20日 23時) (レス) @page44 id: 5c50c73791 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 (2019年7月7日 21時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 続編おめでとうございます!これからも見ます。頑張ってください! (2019年7月7日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 今回も面白かったです!御幸と主人公ちゃん、いつかくっついてほしいですねぇ…これからも頑張ってください! (2019年7月5日 21時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ありがとうございます!返信ゆっくりですが、是非続けてみてくださると嬉しいです! (2019年6月29日 20時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲 | 作成日時:2016年9月16日 17時