78. ページ16
「東先輩、こっちですよ。」
ぐいぐいと引っ張りながら東先輩をようやくブルペンに連れて来る。全くこの人は一体本当になにを食べてこんな風に…。
御幸達が見えたから、手を振って気づいてもらおうとするとなにやら沢村君とクリス先輩と神妙に話し合っている。
どうしたんだろと思い、少し遠慮して遠くから眺めてたら、隣にいた東先輩が、でかい声を出した。
東 「おいおい…おまえあん時のクソガキやないかい。なんでブルペンはいっとんか？
まさかベンチ入りしとるわけやないやろうなぁ！！」
東先輩の声、姿に分かりやすくビクついた沢村君。
沢 「あ、あんたは…。」
流石に一年も経ったら、沢村君にも東先輩に対するこう、なんて言うか、尊敬の念？と言うかそう言うものが芽生えたのかな、なんて思ってたら、
沢 「かつてこの俺が完膚なきまでに叩きのめした…メタボリック先輩。」
だと。東先輩は「メタっ！」ってなんかちょいショック受けてるし、それに追い打ちをかけるように、沢村君は「あれ…こんな太ってたっけ…？」とお腹を見つめながら指差しながらそう告げる。
東 「喧嘩売っとんのかクソガキャー！」
分かりやすく、売られてるよ、喧嘩とか思いながら私も少しずつ2人に近づくけど、東先輩は沢村君の襟元を掴んでわんわん吠えてる。
あれじゃ純さんと同じだ。
東 「おまえ名門は嫌いとぬかしとったんとちゃうんかい！結局うちの学校に入っとるやないかい！」
沢 「記憶にございません。」
東 「なめとったらダンボールで田舎に送り返したんぞ！」
もちろん、ブルペンにいた組にはこの声は聞こえてるわけで、みんな練習をやめてこっちを見てる。ノリなんて、東先輩が田舎に送り返すって言った瞬間、ビクッとしてた。
「ノリ、あんたじゃないから。」
川 「ご、ごめん。でも一年前まではあそこが俺の席だった気がするから…。」
「あんたはあんなに東先輩に強気に出られてなかったでしょ。席は同じでも態度が違う。」
まだビクついてるノリに私は横目で大丈夫大丈夫と背中をさすってあげる。
まだギャーギャー言ってる2人だけど、御幸が「東先輩。」と声をかけ、
御 「今じゃそいつ、うちの貴重な戦力ですよ？」
と一言放つと、一瞬シーンとなる。正直私も御幸がそんなこと言うなんて思ってなかったから、びっくりだ。
御 「ちょうど試したい球があったんです。
久しぶりに打席でこいつの球、見て見ます？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーちゃん(プロフ) - 105話、成瀬が倒れた(？)過程がないので、ちょっと分かりにくいです(・・;) (2023年1月20日 23時) (
レス) @page44 id: 5c50c73791 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 (2019年7月7日 21時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 続編おめでとうございます！これからも見ます。頑張ってください！ (2019年7月7日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 今回も面白かったです！御幸と主人公ちゃん、いつかくっついてほしいですねぇ…これからも頑張ってください！ (2019年7月5日 21時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ありがとうございます！返信ゆっくりですが、是非続けてみてくださると嬉しいです！ (2019年6月29日 20時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲 | 作成日時：2016年9月16日 17時
