番外編1. ページ14
御幸side
「あけましておめでとー。今年もよろしゅうな。」
御 「こんな朝早くなんだよ。親父起きちゃうだろ。」
「おじさんなら、下でもう働いてたよ。」
「6時だもんね、まだ。早いね。」なんていいながら勝手に俺の家に上り込み、こたつに入り出すA。正月には付き物でもう慣れっこなのだが。
ー今年は体がだりぃ…ー
いつもならAが来る前にぱっと目が覚めていた俺。おせち料理とかも昔は作ってて、よくこいつに食べさせてた。
高校生になってからは寮にぎりぎりまでいるからそんなことできなくなったけど。
でもそんなわけで結構きっちりとした生活を送っていた俺だったのに、今年はなぜかうまく体が動かない。今だって眠い。
目をこすり、あくびをしながら俺も諦めたようにこたつに入り込む。Aの冷たい足が当たる。
御 「お前、なんかしてたわけ?めっちゃ足冷たいけど。」
「あー、ちょっと。」
「おじいちゃんのお墓参り行ってた。」と横顔で告げるAは相変わらず頑固なことを俺に再認識させる。
俺は立ち上がって、母さんの仏壇に向かった。Aも気づいたみたいで、俺が座った隣にちょこんと腰を下ろした。
チーン、チーンと無機質に音は鳴り響く。俺はじっと手を合わせていたけれども、なにか違和感に気がついて目を開いて横を見た。
まあ、違和感の正体はわかると思う。
Aだ。じっーとこちらを見つめて、俺と目があったにもかかわらず、そらそうともしない。
御 「な、なんだよ。」
「いや。他校のマネージャーの子にさ、御幸君、かっこいいですねって言われて。」
「そんなこと考えたことなかったから今ちょっと眺めてる。」と俺との距離を詰めるA。正直俺からしたら勘弁して欲しい。
ーこいつのパーソナルスペースどうなってんだよ…ー
思えば、こいつはパーソナルスペースが異常に近い。あ、訂正。仲のいいやつ、知り合いのやつには異常にパーソナルスペースが近い。
もちろんそれは俺にも例外ではないのだが、倉持にだってやる。純さんにも亮さんにだって。
いっちょまえにやきもちなんて焼いたことないといいたいけど、そんなこと言えるほど、俺の心は広くない。
でも、他人に言えるほど、あいつとの距離は近くない。
ーどうすっかなぁ…ー
考えは止まなくていつの間にか目の前にはみかんの皮が大量に溜まっていた。
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あーちゃん(プロフ) - 105話、成瀬が倒れた(?)過程がないので、ちょっと分かりにくいです(・・;) (2023年1月20日 23時) (レス) @page44 id: 5c50c73791 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 (2019年7月7日 21時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 続編おめでとうございます!これからも見ます。頑張ってください! (2019年7月7日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 咲さん» 今回も面白かったです!御幸と主人公ちゃん、いつかくっついてほしいですねぇ…これからも頑張ってください! (2019年7月5日 21時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» ありがとうございます!返信ゆっくりですが、是非続けてみてくださると嬉しいです! (2019年6月29日 20時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲 | 作成日時:2016年9月16日 17時