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願い【神威】1 ページ33

「刺し違えてでも、あなたを殺すよ。」

そう、約束したあの日から私は自分を殺した。

大好きな大好きなあの人のために自分を殺した。

そうしないと、いざという時に、あの約束を守れそうにないから。守れないと確信したから。

静かに頷いたこの人に、私はどうしようもなく泣きそうになる。


ーこんなことを言わせるなんて、意地悪ねー

心でこんなことを思いながら。信じたくもない真実に目を背けたくなりながら。

私はぐっと涙を堪えたのだった。






「神威…。」

あれから3年が経った。

私たちの関係は相変わらず変わらなかった。

そしてあの約束も現在進行形で守っていた。ーいや、守るところがまだないのだが、しっかり約束は覚えていた。

ただ。

神威の方は覚えているのかよく、わからなかった。

私があの約束を覚えてる?なんて、聞けるはずもなかった。自分で自分の傷口をえぐるようなものだ。

できれば、もう口に出してあんなことは言いたくない。

守る場面も来て欲しくない。

だけど、神様は意地悪だった。

考えないように、考えないように、3年間生きて来たのに。

今日、たまたまそのことを考えてしまっただけでそんな場面が来てしまうだなんて。

思いもよらなかった。だけど。


「刺し違えてでもあなたを殺すよ。」

そう、約束したから。約束、約束だから。

私は目の前にいる彼に番傘を向けた。

そして一つ、寸分違わず心臓を狙って銃を撃った。

彼はいとも簡単に避けてしまった。



「やっぱり、簡単には殺させてくれないのね。」


そう呟いた時には彼の顔が私の目の前に迫っていた。

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作者名: | 作成日時:2017年1月16日 1時

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