【銀魂】居場所【沖田総悟】 (ページ4)

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2.酒は２０になってからページ4

総悟は自分が先立って聞いたくせに、まるで興味なさそうだった。なんだ、そんなことかと。もしもある類であったならば土方のおもしろいところが観れたのに、と。

「局長ぉ！ここは女の来るべき場所ではないでしょお！？なのになんで、松平警察長官がこんな奴よこすんですかぁ？」
「どう見てもこの子には無理でしょう。」

酒が入っているのもあるのか、隊士達は納得がいかないと、いつもより強い口調で近藤に物申した。近藤はちらりと土方に助けを求めるが、今回のことは土方も全くの初耳。どうすることもできない。

「いやぁー…けどなぁ…、とっつぁんがよこした子だし、断れねぇし…。」

煮え切らない答えをしどろもどろ発言する近藤。そんな近藤をAはじっと見つめていた。

「こんな子供、俺たちの立つ戦場にゃ不釣り合いだよ。」
「そうだ、そうだ！お荷物だ！」

さらに罵倒が酷くなり、近藤はオロオロし始めた。どうやらこの場を収められるほどの答えを持ってはないらしい。

総悟は多くの罵倒が飛び交う中、Aの依然として変わらない態度に面白さを感じた。普通これだけ直に言われてしまえば、心も折れると言うものだ。普通のものなら。

だが、Aはそんなそぶりもなく、弁解することもなく、そこに立っていた。つまり、普通のものではないと言うことだ。

ひとつ楽しみが増えたと心の中でほくそ笑む総悟。楽しみは酒を進める。くい、とおちょこいっぱいに入れた酒を喉に流し込む。喉に少し熱さが伝わってきた時、Aは口を開いた。

「私は、18歳です。子供ではありません。」

Aの言葉にピタリと止まった隊士達の罵倒。十分子供じゃないかと言いたいが、総悟がいる手前、そんなこと言える者なんていない。なんていったって、真選組一番隊隊長を務めているのは紛れもなく、ここにいる沖田総悟なのだから。

「素晴らしい！」

シンと静まり返った部屋に、伊藤の声と、拍手が響いた。Aは近藤からまっすぐに伊藤へと視線を移した。

「僕は、歓迎するよ。こんな中で凛と立って入られて、発言もできる。腕も立つんだろう？期待しているよ。どうだろう、皆！先ずは性別関係なく、迎えてあげようではないか！よろしく、葉月Aさん。今日は僕らの歓迎会だ！」

伊藤の差し出した手に、Aは握手はせずに「よろしく。」とだけ返した。