顔がタイプ=好きというわけではない ページ4
十四郎君は山崎さんに指示を出し、桂たちの拠点をおさえた。
「十四郎君、まだ突入しないんですか?」
「あぁ。もう少しだ」
頭の悪い私には分からないが、きっと頭のいい十四郎君には何か考えがあるのだろう。
「じゃあ、それまで俺寝てていいですかィ」
「駄目に決まってんだろ。阿呆かテメーは」
また寝ようとする総悟に十四郎君はクシャッと丸められた紙を、頭に当てた。
いてっと言う総悟を無視し、紙を広げる。
「ん?これって桂ですよね?」
「あぁ、そうだ。もしかして見るの初めてか?」
もちろん桂の顔を見るのは初めてではないが、実はこの桂の顔……
「あっ、いえそういうわけではないのですが……なんか、こう……」
「どうしたんでィ樹里。……もしかして桂の顔、結構タイプだったりしてェ?」
うっ。
ず、図星……。お恥ずかしながら、敵の桂の顔がかなりタイプなのだ。別に好意を抱いているというわけでもないし、捕まえろと言われたら何の躊躇なく捕まえることができる。
ただ……切実にタイプなんです。この顔。
「何言ってんだ、総悟。んなわけねぇだろ。な?樹里」
「そそそそーですよ。何言ってるんですか?総悟は」
「いや、焦りすぎだろ。さては図星なんですねィ」
まぁ、ここまでバレてしまったならしょうがない。
「……そうですよ、タイプなんです。この顔。」
「う、嘘だろ……樹里」
「すみません、十四郎君。今まで黙ってたりして」
「い、いや……いいんだ。別にお前が誰を好きになろうと俺は応援する」
………ん?
え、今なんて
「あ、あの十四郎君。今なんて言いました?」
「?俺は応援する」
「いや、その前です」
「お前が誰を好きになろうと」
いや、別に好きじゃない!!顔がタイプってだけなのに。
これはすごく勘違いをしている!
「十四郎君。私は別に桂のこと、好きじゃありません。顔がタイプなだけです」
「な、何だ。そうだったのか……よかった」
安心したように言う十四郎君とは反対に総悟はつまらなそうに口を尖らせた。
「んだよ。好きなわけじゃねーのか」
「もちろんです」
怖い人が優しくなったときはギャップ萌えはすごい→←あれ?何かコイツ今日優しくね?って思っても口には出さない方が身のため
38人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神様 - ありがとうございます!更新頑張ります! (2020年3月20日 17時) (レス) id: 303d75a3a0 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - かーみーさーまー更新頑張って下さい! (2020年3月18日 12時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神様 | 作成日時:2020年2月22日 21時