cap37 ページ38
＜ｺｰﾄﾞ＞
看守達が音楽を奏でる。
それと同時にﾊﾝﾆｬﾊﾞﾙは薙刀を振り回した。
「般若!!!ﾃﾞ･ﾘｽﾞﾑ♪」
「般若!!!ﾃﾞ･ﾆｬﾊﾞﾙ♪」
意味不明な歌を歌い終わった瞬間、ﾊﾝﾆｬﾊﾞﾙが持っている薙刀が炎に包まれた。
「御存知!!!ﾊﾝﾆｬｶｰﾆﾊﾞﾙ!!!焦熱地獄車!!!」
と、言っても、炎に包まれているのは刃の部分だけだが。
ﾌﾞﾝ、ﾌﾞﾝ、と麦わらに薙刀を振るﾊﾝﾆｬﾊﾞﾙ。
大したﾀﾞﾒｰｼﾞは与えていないように見える。
怪我を負っても軽い火傷で済むだろう。
「どかねぇならぶっ飛ばして行くぞ!!!俺はｴｰｽを助けに行くんだ!!!」
「笑わせるな!!!そう簡単にぶっ飛ばされては、副署長は務まらぬわぁ!!!」
その言葉を聞いた麦わらが攻撃を仕掛けた。
「ｺﾞﾑｺﾞﾑの…JET銃乱射(ｶﾞﾄﾘﾝｸﾞ)!!!」
「ﾌﾞｺﾞﾎﾞｶﾞｹﾞﾎﾞ〜〜〜!!!」
顔から大量の血を流し、歯は何本折れている。
だが、それでも市民を守りたいという願いを糧に、震えながらも立ち上がるﾊﾝﾆｬﾊﾞﾙ。
何度も何度も殴られ、血を流し、それでも立ち上がるその姿を見て、僕は口角を上げた。
ｺｲﾂの姿こそ、正義。
何かを守りたいという願いと共に、海賊という“悪”に立ち向かう。
無様に倒れても、血を流しても。
僕には目の前にいるｺｲﾂが。
とても、格好良く見えた。
「待てえぇ!!!」
先へ進もうとした麦わらを止めたﾊﾝﾆｬﾊﾞﾙ。
「ﾊ…ﾊﾝﾆｬﾊﾞﾙ副署長!!!」
「もう立たないで…死んじまいます!!!」
看守達の言葉を無視し薙刀を持ち立ち上がる。
「何を…貴様らｼｬﾊﾞで悪名揚げただけの“海賊”に謀反人…!!!何が兄貴を助けるだ!!!社会のｺﾞﾐが綺麗事抜かすな!!!貴様らが海へ出て存在するだけで…!!!庶民は愛する者を失う恐怖で、夜も眠れない!!!」
血まみれになっているﾊﾝﾆｬﾊﾞﾙ。
その言葉には、強い力が宿っていた。
「か弱き人々にご安心頂く為に凶悪な犯罪者達を閉じ込めておく、此処は地獄の大砦!!!それが破れちゃこの世は恐怖のどん底じゃろうがぃ!!!出さんと言ったら一歩も出さん!!!」
その言葉が聞こえた瞬間、ﾊﾝﾆｬﾊﾞﾙの背後で。
黒い闇が、広がっていくのが見えた。
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作者名：LIMONADE x他1人 | 作成日時：2015年11月23日 11時
