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cap28 ページ29

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「効かねぇよ!!!」

此方に向かってきた毒竜を吹き飛ばす。

ビチャッ、と毒が周囲に飛び散った。

「覇気使いか…厄介だな…」

「厄介で結構だよ、“海賊”ってのは厄介な存在だろ??」

「あれほど海賊を嫌っていたお前が海賊を名乗るのか、珍しい事もあるもんだな」

鼻で笑ったマゼランを睨みつける。

「それは侮辱と受け取って良いんだな??」

「何の侮辱だ??自ら出頭した間抜けな海賊王への侮辱か??」

コイツは俺を煽っているだけ。

頭では分かっていた。

だが、体は言う事を聞かなかった。

その言葉を聞いて、俺の中の何かが切れた。

「船長を、馬鹿にすんじゃねぇよ!!!」

地面を蹴り、マゼランに斬りかかる。

武装色の覇気を纏わせた刀はマゼランの腕を深く斬り裂いた。

「…その“船長”を助けられなかったのは誰だ??お前だろう??蒼(ル・ブルー)」

「煩い、黙れっ!!!」

ズキズキと意味の分からない頭痛に襲われる。

船長が殺された時にも感じた頭痛だった。

「お前が無理矢理にでも助けていれば、海賊王は今も生きていたかもしれないぞ??」

「黙れよ、クソ野郎!!!…海楼両断!!!」

ザシュ、という音と共に、マゼランに一本の斬り傷が刻まれた。

一時的に傷から発せられるエネルギーは、海楼石と同じものだ。

能力を一時的に封じ込める為の技。

それが、海楼両断である。

他の技でも一時的に封じる事は可能だが、この技が一番持続時間が長いのだ。

刀を鞘に納め、既に気配を眩ましている麦わらを追った。

恐らく、LEVEL5へ向かったのだろう。

「LEVEL5へ行っても麦わらはもう手遅れだぞ…毒の刑罰を喰らっているからな…」

走りだそうとした僕の背中にそんな言葉が突き刺さった。

「なっ…お前はずっと此処にいただろう!!?」

「毒で作った偽造人形(ダミー)を向かわせたんだ…お前が気づかなかったのも無理はない…」

ニヤリ、と笑ったマゼラン。

「…此方が有利なのは圧倒的になったな」

「黙ってろ、毒野郎。まだ彼奴は死んでないからな…助けられる方法はまだ残ってるんだよ」

表情を固くしたマゼランを見て鼻で笑った。

「僕の能力を使えば簡単な事なんだよ」

ニヤリ、とマゼランに笑いかける。

乾いた唇を舐め僕はLEVEL5へと走り出した。

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作者名:LIMONADE x他1人 | 作成日時:2015年11月23日 11時

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