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「…A、なんか遠慮しとる？」
「え、遠慮というか、あの」
彼の後ろに見える、可愛い女の子やお似合い同士のカップルをついつい目で追ってしまって。
…センラさんはとってもかっこいいけれど、私は彼に遠く及ばない人だ。といつもの悪い癖が出る。
私が見ている方に気付いたのだろう彼は、少しだけ目線を後ろに向けた後。
あぁ、いつもの癖か。と彼は私の頭を優しく撫でて、困ったように笑った。
「な、A。今から俺が一番好きかな〜って思った服持ってくるからさ。それ、着せて見せてくれへん？」
「あ、はい。それはもちろん。どんなのですか？」
ちょっと待っててな、とここからでは死角で見えない場所に行ってしまった彼を待つこと、ほんのわずかな時間。
お待たせ、と戻ってきた彼の腕の中には、私の好きなテイストのワンピースが。
う、また彼に気を遣わせてしまった。一瞬ときめいた心もその考えがよぎったことで押しつぶされそうで。視線をそのワンピースからふらふら、と申し訳なさから彷徨わせていると。
「これな、ところどころにワンポイントで黄色が入ってんねん」
「え？」
彼の言葉に、再度そのワンピースへと視線が戻って。
あ、本当だ。可愛いですね、と彼の顔を見ると。「俺の色」とニヤニヤしながら言うのでどういうことだろうか…？とじっと彼の顔を見ると。
あぁ、なるほど。
彼の髪の色は綺麗な黄色…金髪だし、瞳の色は蜂蜜のような色をしている。
確かに、黄色は彼の色なのかもしれない。ふふ、と子供のような独占欲に思わず笑みが溢れて。
「なん…もう！笑わんくてもええやん、はよ着て！」
「あははっ…はい、着ます着ます」
ワンピースに袖を通すと、これがかなりしっくり来て。さすがセンラさん、なんて試着室のカーテンを閉めたまま、くるっと回って楽しくなってしまった。早く見て欲しくて、カーテンを開けるとすごく嬉しそうな彼が。
今日は文字通り、少し背伸びをして慣れない高めのヒールを履いてきたけど。それともとても合っていて、想定していなかった事態に嬉しくなる。
ヒールを履く際にセンラさんに手をとってもらって、ちょっぴり恥ずかしいけれどお姫様気分、なんて。
結局は彼にリードしてもらってしまったけれど、お気に入りになるような服と出会えてとても嬉しかった。
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にやあ確定 - 完成度高すぎる凄すぎる誰にも教えたくないぐらい凄すぎる (2022年11月24日 13時) (
レス) @page30 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
うた猫 - 前回多大なるご迷惑をおかけしたうた猫です…。完結おめでとうございます！これからもたくさん読み返させて頂きますね！お疲れ様でしたー！ (2021年5月23日 23時) (レス) id: bba845c06e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずさ(プロフ) - 完結おめでとうございます。全てのお話の細かなところまで凝ってらっしゃってとっても面白かったです。お話の最初の方は何事もなく平穏に進むのに読み進めていくほど不穏になっていく怪しい空気感が大好きです。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年5月22日 17時) (レス) id: b175640c2e (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - お疲れ様でした!!完結おめでとうございます!!一つ一つのお話がすごく凝っていて面白かったです!!とても素敵な作品を書いて下さりありがとうございます！ (2021年5月22日 8時) (レス) id: 0f68482158 (このIDを非表示/違反報告)
もも氏(プロフ) - お疲れ様でした。作品一つ一つ凝っていて読み進めるのが毎回楽しみでした。素敵な作品をありがとうございます。 (2021年5月22日 2時) (レス) id: b053dcec20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#N/A | 作成日時：2021年5月14日 22時
