?《snr》 ページ15
「すみません！私、遅くなっちゃって」
「ええよええよ、てかまだ15分前やし。俺が早う来てもうただけやから」
彼の姿が見えて、急いで走って来たことによって少し乱れた息を整えていると。
彼が蜂蜜色の綺麗な瞳を細めてニコニコと笑っていることに気付き、あぁ、おっちょこちょいとかドジだとか思われてるのかな、と思ってなんだか恥ずかしくなる。
15分前ならまだ来てないかなって思ってたのに。彼はいつ、ここに来たのだろう。
「じゃ、行こか。夏服見たいんやっけ？」
「はい。センラさんの好み、教えてください！」
別に俺の好みに合わせんでもええのに、と嬉しそうに笑う彼を見て、再度好みに合わせよう、なんて思う。自分の為に努力したり合わせてくれる人間がいるというのは、誰でも嬉しいものだ。
「はい」、と言われて疑問符を浮かべながら彼の方を見ると。
手を。差し出されて。
へっ、と彼の手と顔を交互に見ると心底可笑しそうに笑われて。
「手ぇ、つなご」
「えっ、でも、あの、人前じゃないですか」
「人前で繋がんでどうすんねん。俺のってしるしやん？」
…自分でも頬が紅潮していくのがわかるほど、あつい。
彼の手をじっと見つめながらどうしようと戸惑っていると。鞄を「はい、俺が持つから」と言われてナチュラルに取られたかと思えば、私が先程まで鞄を持っていた手を捕まえられてしまい。
それを離すにも離せず、大人しくそれに従うと満足したように笑う彼。
「もう。付き合ってだいぶ経つで？なんでそんな照れんの」
「そ、それは…！」
「まあ可愛いからええけど」
くすくすと綺麗に笑う彼に少し反発したくなったけれど、おそらくそれも華麗に躱されてまた私にダメージが来るのだ。黙っていよう。
いつまで経っても主導権を彼に握られたままの自分にもっとしっかりしろ！と活を入れて、諦めて彼の手を握り返した。
───────
ちょっとこれは可愛すぎるかな、大人っぽすぎるかな、露出が多いのはちょっと…なんて言いながら、試着室の前。先程からセンラさんが選んでくれる服は、とても素敵なものが多いけれど。
私は少し、気後れしてしまう。
周りを見ると、素敵な女性がたくさんいる。
正直、試着室を出てセンラさんに見せて「どうですか？」と聞くものの、少し後ろに見える素敵な女性たちを見て、自分と比べてはやっぱりこれは私には似合わないかも、なんて思ってしまって。
センラさんの好みを教えてください、って言ったのは私の方なのに。
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にやあ確定 - 完成度高すぎる凄すぎる誰にも教えたくないぐらい凄すぎる (2022年11月24日 13時) (
レス) @page30 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
うた猫 - 前回多大なるご迷惑をおかけしたうた猫です…。完結おめでとうございます！これからもたくさん読み返させて頂きますね！お疲れ様でしたー！ (2021年5月23日 23時) (レス) id: bba845c06e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずさ(プロフ) - 完結おめでとうございます。全てのお話の細かなところまで凝ってらっしゃってとっても面白かったです。お話の最初の方は何事もなく平穏に進むのに読み進めていくほど不穏になっていく怪しい空気感が大好きです。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2021年5月22日 17時) (レス) id: b175640c2e (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - お疲れ様でした!!完結おめでとうございます!!一つ一つのお話がすごく凝っていて面白かったです!!とても素敵な作品を書いて下さりありがとうございます！ (2021年5月22日 8時) (レス) id: 0f68482158 (このIDを非表示/違反報告)
もも氏(プロフ) - お疲れ様でした。作品一つ一つ凝っていて読み進めるのが毎回楽しみでした。素敵な作品をありがとうございます。 (2021年5月22日 2時) (レス) id: b053dcec20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#N/A | 作成日時：2021年5月14日 22時
