CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ21)

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「うらたさん、フルーツサンド無くなっちゃいますよ、ってあっ！え！？」
「わ！？何！？」

隣に座っていた坂田くんが私の大声に驚いているが、今はそれに構っている暇はない。うらたさんが今使っている機械は。

「それ！何でここにあるんですか！」
「…あ、これ？お前んとこからパクってきた」

…通りで。そう、こんなところにある訳がないのである。国家予算を注ぎ込んで作られた最新式の、研究室にしか無いはずの、これは──

なるほど、そういうことか。以前、うらたさんが私の血に毒を混ぜたという話をしていたが。毒物、または劇物とされるような薬、毒は通常であれば入手困難な代物だ。

それが彼らのような、表社会に顔を出しづらい者となると話は変わってくるのかもしれないけれど。基本的に慎重に扱われているし、闇市場への出回りも少ない筈だ。

──そうだ、そして、この機械があれば。坂田くんが大量にお菓子を食べなくても済むようになるかもしれない。もしくは、私が近くにいなくても平気になるかもしれない。

「何で隠してたんですか、これがあれば粗悪品の解析も簡単に済むんじゃ」
「…いや、それが。その“粗悪品”だけが解析できないようになってて」

え？と一瞬、言葉を失う。すぐ彼の近くに寄ってモニターを確認、パスコードの権限等を確認しても、何もおかしなところは無い。

…というか、このパスコードは私より権限が上の物じゃないか。

「オフライン状態ですよね？これ。意識的な妨害じゃないなら、初期設定の時点で使えないようにしていた、ってこと？」
「…な、るほどな」

今のところ全て推測でしかないが、考えられる可能性はそれしかない。ということは。

「国で指定されている禁止毒物等は登録されていません。うらたさん、多分それもうちの研究室から盗ってきてますよね？それを使いましょう」
「あぁ、幾らかは持ってきてる。了解」

最近彼と情報を共有できていなかった事が解決を遅くさせたな、と白衣の袖を捲った。後ろの方から「そういやアイツ国雇いの研究者やったな…」という声が聞こえた気がするけれど、気にしてはいられない。

…元々そのために貴方たちが連れてきたんでしょうが、という言葉を飲み込みつつ、採血の準備を始めた。