娼婦の美徳【ジョジョの奇妙な冒険】

危うい退屈しのぎ (ディオ) ページ26

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ディオ・ブランドー




「水が甘いわ」

水の入った瓶を頬に押し当ててスカートが捲れているのも構わず床に寝転がるAの唇をハンカチで拭う。

「飲み過ぎだ。辞めろよ、娼婦の真似事なんか」

もしもジョースター卿の耳に入りでもしたら大事だ。こんな土地ばっかり広い田舎じゃ普通ならバレるのは時間の問題だろうが、要領の良いAの事だから心配は無いだろう。

「余計なお世話よ」

ジョースター家の長女として生まれて恵まれた環境で育ち、何かに不自由した事など一度だって無いAを“娼婦ごっこ”などという愚行に掻き立てるものとは何なのか。全くもって理解出来そうにない。

「分からない？ただ退屈なの…それだけよ」

考えていた事をピシャリと当てられて思わず振り返ったが、Aの意識は既に夢へと引き摺り込まれた後だった。

きっと、明日には何事も無かったかのように貞淑で無垢な少女の仮面を被り、本性を巧妙に隠して微笑むのだろう。



危うい退屈しのぎ


(2日酔いの副産物でございます)





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