行き宛てなしの人生【長兄チョロ】

悪魔に一番近い ページ10

＜おそ松side>


「チョロ松。カラ松の遺書、読め」


チョロ松はずっと泣いている。



カラ松はビルから飛び降りた。

理由は知っている。

俺も悪い奴じゃないからね。

ちゃんとチョロちゃんがカラ松に思いを伝える機会を作ってあげたよ。

本当は、チョロ松には泣いてほしくなかったんだもの、

すごく気遣ったと思わない？


んで、理由だよね。

カラ松、最近明晰夢をものすごく見たがっててさ。

そんで、一昨日だっけな。

アイツ、寝起きが悪いから、そん時に、

「夢の中で死ぬと、明晰夢見れるんだってさ」

って言ってやったんだよ。

もちろん、ガゼに決まってんじゃん。

夢の中で死んだ時点で、自分の意志だし、明晰夢になっちゃうじゃん？


弟を殺したようなもんだって？

俺のチョロ松奪われたくなかったの。

別に殺人鬼って言われてもいいよ？でも、この事実は誰も知らない。



「遺書？」


「アイツ、死ぬ前に遺書置いて行ったみたいなんだ」


どうせ、ラブレターかそんなもんだろ。

俺は見なくてもわかる。

だって、長男様だから。

そして、カラ松とチョロ松が両想いなのは言わなくてもわかる。

だって、長男様だから。


でもね、長男様は人間なんだよ？

そして、六つ子の中で、一番悪魔に近いんだよ？

嫉妬だって、許してくれない？

安易に騙されるのがわりぃーんだよ。

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