子供扱い禁止！5【木村良平】〜完結〜

198 ページ3

.







「そろそろ時間だから皆移動お願い〜」

「「はーい！！」」








スタッフさんの声に皆元気よく返事をして舞台袖に移動を始めた
私と良平さんも着いて行って皆に応援の言葉を掛けたりアドバイスをしたりとちょっぴり先輩らしい事をした

将来この子達が劇団ひまわりを引っ張っていくのかな〜









貴方「皆頑張ってね！」

良平「落ち着いてやれば大丈夫だよ」








皆子供らしく無邪気にこれから始まる舞台を楽しみに待っていた
緊張しないの羨ましいな〜、子供だからいい意味で気楽なんだろうな、今はただその場を楽しむ事だけを考えてる
とてもいい事だよね。


ただ1人端っこで暗い表情の女の子を見つけて近寄った









貴方「どうしたの？大丈夫？」

「…」









女の子は私の声に顔をあげると泣きそうな顔で私を見つめた
緊張してるのかな？









貴方「大丈夫だよ、きっとうまくいくから」

「でも…怖い…っ」

貴方「お姉ちゃんも最初はそうだったよ！」

「…お家に帰りたい…っ」









女の子は私にしがみついて震えていて、仕舞いには泣き出してしまった
まさに私の初舞台の時のようだった


その時裕也くんがその子の前にしゃがんで優しく頭を撫でた









裕也「緊張してるの？」

「うん…」

裕也「そっか、じゃあおまじないしてあげる」

「おまじない…？」

裕也「そう、おまじない。手出して」









そう言って裕也くんはその子の手を取ると小指に星のマークを描いた









貴方.良平「！」

裕也「はい、なんでも上手くいくおまじない」

「なんでも上手くいくおまじない…」

裕也「きっとうまくいくよ。頑張ってね」

「うん…お兄ちゃんありがとう！」








女の子は裕也くんに笑いかけると元気を取り戻して皆の元へ走っていった








.

199→←197

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す