57話 ページ8
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藍里「まぁ〜た成宮と話してた」
HRが終わり更衣室で体育のジャージに着替えるAと藍里。
やっぱり藍里は見ていたのか口を開けばすぐそれだ。
A「別に私が誰と話してもいいでしょ」
藍里「それで?成宮はあんたの髪型の変化気がついたの?」
A「それがさぁ、全然その話話題に上がらなくて…って違う!」
藍里「ほ〜、あんたそういうこと思ってたの?ちょっとがっかりだったの?」
深い意味は無いのに
ついうっかり、そんなことを口にしてしまった。
特別話題に出してほしいわけでもなければ
かわいいだとか褒められたいわけではないはずなのに一体どうしてなのか
A「違うよ…!」
藍里「ほんと?実は成宮からかわいいだとか似合ってるねとか気の利いた言葉聞きたかったんじゃないの?」
A「まず…私、成宮さんのこと好きとかそんなんじゃないからかわいいだとか言われたいわけじゃない」
藍里「いやー、別に成宮に恋しろってわけじゃないけど実際どうなの」
実際とかそういうの
いまいちよく分からない
今はただ、今はただただ─。
藍里「好きか嫌いか普通で言ったら」
嫌いなはずない。
とってもいい人だから。
優しくて、どこか子どもっぽくて
そばにいるだけで、自分まであんなふうになれた気がする。
─本宮さん!
苗字を呼ばれるだけでも
心臓がとび出ちゃうんじゃないかと思ったし
なんなら…名前を呼んで欲しかった。
でもそんな我儘言い出せない。
A「嫌いなわけない、好きだよ」
A「それが恋愛感情かは別として」
案外あっさり答えが出てきていて
その好きが男の子として好きかどうかはわからない。
そもそも、好きになっちゃいけない
望んだ付き合いじゃないのにAには彼氏がいる。
A「成宮さんだったらいいのにとか、絶対夢で終わるようなこと思ったけど」
ちゃんとした恋心がどんなものなのかわからない。
成宮さんだったらいいのに、これが恋心なのかどうか。
藍里(別に成宮のこと応援してやろうって気持ちはこれっぽっちも微塵もないけど)
藍里(頑張ればこの2人くっつきそう)
藍里は心の中でつっこんだ
いや、それもう恋しちゃった認識して良くないか?と。
まぁ違かったらアレだけど。
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年4月21日 19時