【◇】銀木犀 2 . (ページ7)

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56話ページ7

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とりあえずなにか誤魔化そうと

ぎこちない笑顔を浮かべては小さく手を振った鳴。

変な誤解をされたら大変だから咄嗟にとった行動がこれだ。

すると隣の席のAは少しきょとんとした顔で鳴を見ては

A「ふふっ」

小さく笑った。

体をプルプルと震わせながら必死に笑うのを我慢してるのが見て分かる。

おかしなことした？と思ったけれど何か変なことをした覚えはない。

何故か笑ってる。

A「成宮さん、変なの」

成宮さん、変なの

この言葉がグサッとさっきの白河の言葉より深く突き刺さり鳴を攻撃した。

矢というよりは、ホームラン。

変だと思われたと鳴はかなりショックを受けた。

鳴「俺変なの…？初めて言われたんだけどそついうこと」

A「え？変？あ、変ってそういう意味じゃなくってなんか…ワタワタ慌ててる成宮さんが面白くって」

鳴「え？そっち？」

変なの…ってドン引きする意味じゃなく

おかしな様子でちょっぴり変で面白いという意味だったらしく

鳴はとんでもない誤解をしていた。

A「おはよう、成宮さん」

そっちかぁ…と考えてるうちに

Aはニコッと笑って自分からおはようと言ってくれた。

先に言いたいと思っていたけれど今日はAが先。

鳴「おはよ！本宮さん！」

HRで先生が話してる声なんて

聞いてるようで聞いていない

それくらい鳴は今隣の席の女の子に夢中。

A「今日の体育、スポーツテストだって」

鳴「なんだっけそれ」

A「テストっていうか…体力測定？50m走とか、ハンドボール投げとかするやつ」

鳴「嘘！今日なの！？」

A「うん」

鳴は基本時間割とか気にしないタイプ。

気にしたところでなにかが変わるわけでも無い。

それでも話せる話題になるならなんでもいい。

A「成宮さん、足速そう」

鳴の好きな、好きになったきっかけでもある

ふにゃっとした柔らかい笑顔。

速そうなんじゃなくて速いよ！と言いたいとこだがそれが全部引っ込む。

鳴「まぁ、足速いかもね」

A「自信ある？」

鳴「ないわけないよ」

照れてしまってはなにも上手く話せない。

意外と鳴はそういう所があるのかも。