【◇】銀木犀 2 . (ページ47)

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96話ページ47

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付き合わないと、友達が酷い目に合うから

付き合わないと、私と喋った男子が傷つけられた

付き合わないと、私の身が危ないと思った

でも、好きでもない人と付き合うのって本当に幸せなの？

A「やだ…やめてっ」

「なぁ、いいじゃん俺はお前のことこんなに好きなんだからさ」

A「痛い…！！」

力で敵わないのをわかってて乱暴なことをする人が幸せにしてくれると思う？

そんな相手に頬を紅くすることはある？

あるわけがない

好きになれるわけがない

その貼り付けられたような笑顔が、どうしようもなく怖い。

私は…いつしか男の子が怖いって思うようになっていた。

「なんでわかんねぇんだよ！！」

A「っ…！！」

「言ったよな、俺の言うことは絶対だって！！言うこと聞けねぇのかよ！！ちやほやされやがって！！」

A(ちやほやなんて…されてない…)

力が強くて、自分より背の高い人が怖い

人の笑顔が怖い

誰かの言うことが怖い

でも、そう思わない人が中にはいた。

「なんでも言うこと聞くって言ったよな？俺が他のやつに手を出さないことを約束にお前はそれを破るのかよ」

A「言ったけど…でも…」

「浮気するのか？俺より成宮がよかったか？気に食わねぇ、あいつもあいつに誑かされて遊ばれてるお前も」

放課後は嫌だ、憂鬱だ、吐き気がする、つまらない

それと違って教室にいる時間は、彼の隣にいる時間は好きで、楽しくて、笑えて、充実してる

嫌なことなんて全部忘れられる

「お前はな、遊ばれてるだけの可哀想な人間なんだよ」

「黙って俺の言うこと聞いて生きてろよたくさんかわいがってやるから」

嘘つけ、離れてよ、触らないで

かわいがってやるから？

贈り物も何もいらない好きって言葉もかわいいって言葉も全部いらない

それは自分と私を繋ぎ止めるようなものでしょ？本当に嫌だ

”かわいいって言ったの”

”俺の事もっと見ててよ、てか俺のことしか見れないようにしてあげる”

怖くなかった

言葉も、笑顔も、私より高い背も。

彼は知ってるのだろうかそんなことを言わなくても私はついつい彼のことを見てしまうことに

多分きっと、知らないのだろう。

「俺の事嫌いじゃないならさぁ、証明してみせてよ」

したくない

だって、嫌いなんだもの。