91話 ページ42
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A「そ…うですか…」
鳴「いや、別にそういう変なつもりっていうか変な意味じゃなくて」
机に突っ伏したままごにょごにょと言葉を詰まらせるA
今日は心臓の音がドクドクとやけに大きく聞こえる。
A「……その、変な意味でも…嬉しかったのになぁ、なんちゃって」
変な意味ってそのまま変な意味というわけではない
好きとか嫌いとか、恋愛の意味ではないよということででもAは
その変な意味でも嬉しかったのにとつい口から出てしまったのだ。
鳴「何言ってんの?Aちゃん彼氏いるのにそういうこと言っちゃったらダメだと思うよ?言ったとしてもじょーだん」
鳴「もう寝たらダメだかんね!俺起こさねぇから!!」
とはいいつつもドキドキさせるAの表情と言動を前に意外と慣れてないウブな鳴は大赤面
ばちんと1回だけ寝ぼけ眼なAにデコピンし拗ねたように前を向いてしまった。
A「痛い…」
鳴(ほんっっとなんか俺じゃないみたいなんだけど!!うるせぇな…静まれ心臓!)
一応手加減はしたはずだけれど
そのデコピンはなかなかの痛みでバッチリAは目が覚め
至っていつもと変わらない様子のAとは反対に鳴はもう完全に拗ねまくり
らしくない自分を前に1番戸惑いを見せているのは鳴なのかも。
鳴(ちょっと寝顔見てみようと思った俺が馬鹿だったよ、こんなのこれから続くとなったらこの先ダメだね)
自覚してるようで自覚してないAと完璧に一目惚れを自覚している鳴とはやっぱり違いが出てくるのだろう
本当ならば自分がドキドキさせたいのにこれでは自分がAにドキドキさせられている
勝負でもなんでもないのに鳴はそれが悔しくてたまらない。
鳴(連絡先聞いて、練習に引きずり込ませて惚れさせてやる!!絶対!!振り向かせる!!)
バチバチバチバチ悔しそうな顔してそんなことを決断する鳴
絶対に惚れさせるし絶対に振り向かせる
そして絶対自分が幸せにしてやるんだと。
案外ドキドキしていないと思いきや
Aは…
A(私、なんてこと言っちゃったんだろう)
A(顔近かったし、髪ボサボサだったし、寝顔見られたかな!?だとしたらすっごく…無理)
鳴の見ていない所で
想像以上に恥ずかしがってた。
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年4月21日 19時