85話 ページ36
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鳴(髪の毛手強すぎない?なんなの?完っ全に俺の敵じゃん)
まさかの髪の毛VS成宮鳴
髪の毛が運良くサラリとズレて寝顔を見るか
それとも見れずに鳴が敗北するかの究極の2択
それ以外にも一応手段はあり、鳴がサッとパッも目に見えない速さで髪の毛をどかすという第3の選択肢も存在しているが…
鳴(髪の毛触ったら起きちゃいそうじゃん、起きたらどう理由つけたらいいかわかんねーし)
鳴(それなら自然に起きて偶然装って寝てたの?って聞いた方がいい)
そんな勇気あるならとっくにやってる
意外と恋愛に関しては奥手というか、1歩引き気味の鳴。
押してダメならもっと押せとか言ってたが全然押せてない
押すというか小指でちょんちょん触りましたレベルだ。
鳴(てか…なんで髪の毛下ろしてんの聞いてないんだけど)
5時間目までは確かに結んでいたはずの髪の毛が
解けてしまっている現状
鳴からしてみればかわいくて気に入ってた髪型じゃなくなってしまったのでちょっと残念
でもこれはこれでサラサラの髪の毛が綺麗なのであり。
鳴(……鈍感なのか、ただ恥ずかしがり屋なのか)
鳴(かわいいって言ってもそんなに驚かなかった気がする)
想像していたのと違う反応だった。
もっとこう…女子だからきゃー!とか言うのかとばかり思っていたのに
返ってきたのはそういう声ではなく、真っ赤に赤面したAの顔と恥ずかしそうな声。
でもそれが逆に他とは違う彼女らしいというか
鳴(邪魔な人がいなかったらきっとすぐ好きだよって堂々言ってたのかな、俺)
鳴(どうしたら振り向いてもらえるんだろ)
こういうことを考えるのは自分でもらしくないと感じる。
意識してるからこそのあの反応だったことに鳴は気がついていないのだ
振り向くどころか、好きになる1歩手前くらいの場所にAがいることにも。
鳴(本当は成宮くんなんかじゃなくて鳴って呼んで欲しいけど)
鳴(理由が理由なだけあって許してしまうじゃん)
恥ずかしくて呼べそうにない、と聞いた時
さすがに声には出さなかったが何だそれかわいくない?と思っていた。
すぐに鳴と呼ばせたかったけど成宮くんは成宮くんで成宮さん呼びと比べたら全然距離が縮まった証拠なのだから
それでいい。
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年4月21日 19時