84話 ページ35
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鳴「Aちゃん」
昼休みからしばらく経ち6時間目の数学の時間
今は周りの人と答えを確認し合う時間なので鳴は先生がそう言った瞬間
物凄い勢いで横を向いたのだけれど…
鳴(ね、寝てる…！？)
机の上で腕を組んではそのまま突っ伏して爆睡中。
髪の毛で隠れて顔が見えないため…
鳴「なんで！！そこサービスしてくれたっていいじゃん！！」
鳴はめちゃくちゃ悔しがった
多分マウンドにいたら地団駄踏むレベルの悔しさ
これがもし仮に2人っきりであったらそっと髪の毛をどかしてみるかもしれないけれどそうはいかず。
と言うよりは起きたらどう誤魔化せばいいのか分からない。
「成宮どうした？何をサービスして欲しい？課題か？」
鳴「ち、違います！その…ヒントヒント！」
「ヒントは教科書に書いてあるぞ、しっかり読め」
鳴「うわぁー！ほんとだー載ってた載ってた」
内心そんな事じゃねーし！と思いつつも
怪しまれて授業態度悪くて減点されたり、監督にチクられたりでもしたらとんでもないのでここは大人しく流れに乗っておく。
それとは別にAを起こすのはもったいない気がしたから先生の注目を逸らしたかった。
そう、何がなんでも鳴は─
鳴(……寝顔、見てみたいんだけどな)
好きな子の寝顔がみたい
見たところでどうなるのかと思うかもしれないが男子だろうが女子だろうが好きな子の意外な一面は気になるのがおそらく普通。
鳴の中にはAが授業中平気で爆睡するようなイメージはなかったので尚更見てみたい気持ちが強い。
鳴(冨田もなんか居眠りしてるし…これはチャンスだって！！)
昼休みどころかいつもギャンギャンうるさい番犬のような藍里もお昼ご飯を食べたあとの5時間目6時間目の授業、さすがに眠くて寝ている。
藍里に関してはいつも寝てるような気もするが…
先生と藍里が気にしてないうちに何とかすれば運が良ければ…
A「ん……」
好きな子の寝顔がバッチリ見れる、というわけ。
鳴(うわビビった！！起きたかと思った、寿命今ので1年くらい縮まってそうなんだけど)
少し小さな声を出してAがかすかに動いたがただAの髪の毛は頑なにAの寝顔を見せてはくれず。
むしろ逆にもっと見えにくくなった気がしてならない。
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作者名：ちあき | 作成日時：2020年4月21日 19時
