【◇】銀木犀 2 . (ページ34)

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83話ページ34

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鳴「まぁ…Aちゃんが嫌がることしちゃったなら謝るけど」

ちなみにAが言ってる距離感云々は用具を片付けてくれた時にAがいるのにあんなに至近距離で近づいてきた時のこと。

あまりの恥ずかしさにそういうことを言ってしまっただけで嫌だとは言ってはいないが

ちょっとすれ違ってるみたいだ。

A「ううん、別に嫌ってわけじゃなくってちょっと恥ずかしかったというか…」

A「その…荷物、私の代わりに棚の上に置いてくれた時」

あ、あれか。と鳴の頭に流れてくるあの時の一連の流れ

なんかあったっけと思い出していくうちにだんだんと汗が出てきた。

─かわいいって言ったの、Aちゃんが

鳴「……ゴメンナサイ」

A(片言…！？)

藍里「何されたのか言いなさいA」

A「私の言い方が悪かっただけで成宮くん全然変なことしてないよ藍里」

時間がある程度たった今思い返せばとんでもないことをしていたことに気がついた。

さすがに自分はなんともなくても相手は嫌だったんじゃないかと思うようになってくる。

しかもしかも、思いっきり堂々と数時間前に好きな子相手にかわいいとかぶちまけてしまってるとんでもない自分。

鳴「でも！！ちゃんと本当だから」

A「ちゃんとって…」

鳴「かわいいって言ったこと、嘘じゃないしあんなに近づいたのは…事故っていうか、別に意図的じゃなかったし…」

ごにょごにょごにょごにょ

あの堂々とした鳴が女の子相手に言葉をつまらせてる

これは新鮮すぎる光景。

こんな鳴を野球部の部員たちが見たら一体どうなるのやら。

藍里(はぁ？こいつかわいいとか言っちゃったわけ？)

カルロ(通りでなんか機嫌いいと思ったらそれだったのか)

授業が終わってすぐに教室を飛び出した鳴はカルロスの教室に行き白河の教室に行き

ウキウキで購買に行って昼ごはんを食べてウキウキ廊下を歩いてたら今に至ったというわけ。

白河「さっさと言いたいこと言えばいいのに」

カルロ「部活とかで見てる鳴とはどこか違うよな」

真っ赤な顔で口をパクパクさせるAと

少し恥ずかしそうにしているものの目を逸らさない鳴

いつも生意気なこと言ったり騒いだり我儘言ってる鳴の姿は今どこにも見当たらないくらいだ。