67話 ページ18
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Aが顔を上げると
また目と目が合ってぶわっと恥ずかしさが足のつま先から頭のてっぺんまで込み上げてくる。
A「えっと……」
鳴「ぷっ…」
わたわた慌ててるAを見てぷぷぷと笑う鳴。
笑われるくらいならAはずっと顔を伏せていた方が良かったとちょっと心の中で拗ねる。
鳴「本宮さん面白いね、ほんと」
A「面白くない」
鳴「え、怒った?起こったの!?」
他から見れば本当に
イチャイチャイチャイチャしてるようにしか見えず藍里は2人から1歩引いた。
A「怒ってない」
鳴「ねぇ本宮さん」
好きと決まれば引いたりしない
押してダメなら引いてみろはまだ
押してダメならもっと押せ。
恥ずかしさより、あとの事より、今は今
鳴「俺の事もっと見ててよ」
鳴「てか、俺のことしか見れないようにしてあげる」
自分の意思で付き合ってないなら
本当に好きなら奪ったって
好きにさせたって何も問題はない。
A「………うん、わかったよ成宮さん」
強気なことを言ったのに
さっきまで拗ねたような顔をしていたのに
ふわふわと笑う顔を見れば強気でいるということが一気に崩される。
どんな相手にも負けるつもりがないエースが唯一敵わない相手はもしかしたら隣の席の女子なのかも。
鳴「い、言ったからね本宮さん!!ちゃんと見てなかったら怒るから!!わかった!?」
A「うん」
鳴「わかった!?絶対だからね絶対!!」
A「わかってるよ!」
逃げるようにスタスタ向こうに行ってしまった鳴。
Aは胸を撫で下ろすように一呼吸置いてからくるっと藍里の顔を見る。
藍里「素直になりなよ」
A「違うよ、友達だよ友達」
藍里「本当にただの友達だと思ってるのなら…そんな話しただけで嬉しそうに笑ってさ」
嬉しそうに微笑んで
自分の結われた髪の先を触るA。
藍里の発言でハッと我に返ったのかすぐやめたがちゃーんとバレている。
藍里「それ、昔っからのクセだよね照れると髪の毛の先を触ってそういう顔をする」
A「からかってるの?」
藍里「さぁ?でも事実じゃん、アイツには言ってやんないけどね」
嬉しくて、恥ずかしくて、照れると
すぐ髪の先を触って微笑む。
自分で自分の気持ちを隠すけどクセはさすがに隠せない。
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年4月21日 19時