61話 ページ12
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藍里「てか、なんでそんなこと思ったの」
A「んー？どうだろう」
藍里「気をつけろよー、アイツの周り女がうじゃうじゃだから」
A「そういうことまた言わないの」
でも本当に事実だ。
現に今も測定のために練習してる男子の集まりを見ている女子がいるが
その女子の視線の大半は鳴に向かっている。
A「とにかく、ジャージ脱がないと」
藍里「嫌だ、寒いじゃんなんで上脱がないとならないんだか」
A「なるべく体が軽い状態で走るんでしょ」
藍里「……………成宮ともこうやって淡々と会話すりゃいいのに、どうして恥ずかしがるんだか」
本人は否定してたが
藍里的にはAの鳴を見る目は
ちょっと違った、でもこれは幼馴染みの勘のようなもので確かなものかはわからない。
どこかぎこちなく会話してるし謎の距離感あるし、これはまさか…と思っても仕方が無いという。
藍里(なんかもう…1周まわって応援したくなってきたわ、成宮お前さっさとAのこと褒めろよ可哀想じゃん)
ちらっと隣を見れば
Aがぼーっとどこかを見ている。
そんなの視線を追わなくたってバレバレで
藍里(お前の好きな人、お前のこと見てんのになに男子とはしゃいでんだよアホか)
意識して見てるのか、無意識なのか
これは藍里にだってわからないが
Aの視線の先には鳴がいる。
鳴の人柄か、顔か、多分前者だろうがAが仲良くなりたいというのだから協力してやらないこともない。
藍里「やっぱ好きっていいなよ」
A「え！？何が」
藍里「まぁお似合いなんじゃないの、同じ「宮」同士」
A「だから！そういうのじゃないってば！！」
慌てて否定するAの顔は
やっぱりどこかほんのり赤い。
それを見ては藍里はなんだか面白くってからかわずにはいられない。
「じゃあ女子ー、測定始めるよ真面目に走るように」
集合の声がかけられAの足は先生の元に。
まだまだ好き！！！って気持ちには程遠いが
そうなるのも案外時間の問題か。
藍里「LINEの名前成宮の嫁で登録しよ」
A「藍里？そんな男子中学生みたいな真似しないで」
藍里「偏見すごいなぁ…高校になってもやりかねないだろ、成宮とか」
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作者名：ちあき | 作成日時：2020年4月21日 19時
