60話 ページ11
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A「あー、今年もまたタイム遅くなってそう」
藍里「そう？またそんなこと言っといて安定の速さでしょAは」
まさか鳴にチラ見されてるだなんて気が付かないA。
中学でやっていたのは長距離だが元々得意なのは短距離らしい。
藍里「それはそうと、なんでAさっき1人で走ってっちゃったの？」
A「え？さっき？」
藍里「成宮が来た途端逃げるようにどっか行ったじゃんあんた」
A「あ、それか」
藍里と鳴が話していた間に逃げるように走っていったA。
藍里はそれが気になっていたのだ。
A「別に意味なんてないよ？」
藍里「え、ほんと？」
A「うん、意味…ある？」
藍里「いやー、てっきりあたしと成宮話してたからさぁ」
聞けば深い意味は無いという。
これで一安心なのだけれど…
それとは別に藍里は気になることが。
藍里「髪型、褒めて貰えなくて拗ねてんの？」
A「また藍里までそういうこと言う、別にそのために髪型変えたわけじゃないのに」
藍里「だったらなんで、成宮の方チラッチラ見てたの？やっぱ…友達以上なんじゃないの？」
A「……何度も言ってるじゃん、成宮さんは私とはいる場所が違うよ」
そんなことないのになぁ、困ったもんだと
親友は心の中で頭を抱えた。
最初こそ藍里はAに男子を近づけたくなかったが今はそれが変わりつつある。
藍里「素直じゃないなぁ、Aは」
A「………迷惑じゃないかな」
藍里「迷惑だったらアイツ話しかけてこねぇって」
やっぱ好きなんじゃん、とか思っていたのに
Aはちょっとどこかズレてるようで
A「仲良くなりたいって思っても迷惑じゃないかな」
藍里(そっちかぁ…………)
まだまだ恋愛感情の自覚というか
A的にはそっちなのだろう。
てっきり藍里はAがちょっと顔を赤くしていうものだから「好きでも迷惑じゃないかな」だと思ってたのに…
危うくずっこけそうになった。
A「藍里？どうしたの？」
藍里「いやなんでもない、とにかくAの好きなようにすればいいんだよもう」
藍里「Aが自ら仲良くなりたいだとか言うのって珍しいしさ」
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作者名：ちあき | 作成日時：2020年4月21日 19時
