51話 ページ2
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母「あら、どうしたのそんな髪の毛結んで」
朝。
いつもはギリギリまでテレビを見ているか寝ているかの2択のA。
今日は珍しく鏡とにらめっこ。
A「うう…あんま上手くできない、ぐしゃってなる」
母「いっつも櫛でとかしてはい終わり!なのにどうしてそんな凝ってんのー?」
A「もう、お母さんうるさいし鬱陶しいから邪魔!」
母親譲りの少し薄く桃色がかった茶髪を
綺麗に1本に結い上げようと悪戦苦闘中。
いつもは髪型にこだわらない娘が髪型に拘ってるのを見れば気になってしまう。
藍里「おばさーん!おはようございまーす!」
母「あら藍里ちゃんおはようー!ごめんねぇ、なんかあの子今日髪型に拘ってて」
藍里「へー、Aが?珍しい」
母「少し時間かかるみたいだからあがって」
いつも通りAを迎えに来た藍里。
Aのお母さんに上がっていいと言われたため、ローファーを脱いで
Aのいるリビングへ。
藍里「おはよー、珍しいねAが髪型に凝ってるの」
A「おはよ藍里、ごめんもうちょっとまってて」
鏡から視線をそらさずまだ苦戦してる。
これはよっぽどだと藍里とAの母は顔を見合わせては呆れた。
母「ほんと急にどうしたのよ、もしかして…新学期早々好きな子が出来たか彼氏でも出来たの?」
出た。
この歳頃になって何かこだわり出すと飛び出る親の彼氏か好きな子でも出来たの?発言。
Aはこれが苦手だ。
母「藍里ちゃんそこんとこ知らない?」
藍里「えっ、あたし?」
母「最近Aが男の子と仲良いところとか…」
藍里「えーっと……」
もうこういう時はガン無視が1番。
Aは無視して髪型を整えてく。
藍里(なんて答えればいいのさこれ、あたしAと仲いいというか親しげなの成宮くらいしかしらない)
藍里の頭に咄嗟に浮かんできたのは
ドヤ顔でピースする鳴の顔。
認めてはいないが仲良さそうなのは事実。
藍里「まぁ……いるっちゃいると思いますよ」
母「えーー!?ついに、ついにAにも春が来たの!?お母さん興奮してきた!!」
A「お母さんちょっと黙ってよ」
Aからすれば別にそういうつもりで髪を結ってるわけじゃないのに
いい迷惑というか、朝からうるさい。
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年4月21日 19時