106話 ページ8
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鳴「ねぇねぇ、Aちゃん」
緊張して、ドキドキしてるのは
何もAだけに限った話ではない
彼も彼女の名前を口にする度になんとも言えない気持ちになっている。
A「何?」
ロッカーを開けて教科書を入れたり出したりしながら会話をする2人
ロッカーの扉からひょこっと鳴が顔を出す
鳴「今日の1時間目と2時間目の授業なんだっけ?」
A「1時間目が生物と2時間目は数学」
Aもそれと同じくひょこっと顔を出す
そして鳴がロッカーの角に頭をぶつけたのもほぼ同時。
鳴「1時間目と2時間目、寝てどうぞーって言われてるような時間割じゃん」
A「それはなんかわかるかも」
鳴「生物は特に先生の話長いし飽きる」
まぁ鳴が寝たらどうなるかなんてだいたい察しがつくだろう
謎の先生同士の無駄に強い繋がりで話がどんどん広まり最終的に行き着く先は国友監督の耳
強豪稲実の現エースが寝てました、なんてことになれば国友監督と鳴の間にシロクマもびっくりするくらいの吹雪が舞うに決まってる。
頑張れば氷壁だって出来そう。
A「でもその2教科乗り越えればあとは楽な授業だし頑張ろう!」
鳴「Aちゃんがそう言うなら頑張らなくもないね」
A「………………」
鳴「ん?どうかした?まさか後ろに監督が立ってるとか怖いこと言わないよね?」
何故か突然じーっと鳴のことを見つめるA
見つめるとは言っても目は合っていないためどちらかというと鳴周辺のどこかって言うのが正しい。
授業だるいだの眠いだの文句を言ってたら監督がいました!なんてケースもごく稀にあるのか
鳴は監督がいるのかと勘違いしてる
鳴「え、なになに、なんでそんな急に距離詰めてくるのAちゃん」
急に無言でしゃがみながら同じくしゃがんでる鳴に近づくA
これがもっと怖い
無言で近づいてくるあたりすごくすごく怖い
何にも言わないって、本当にある意味ハラハラするもの。
A「さっき話しかけられた時に気づくべきだったんだけど」
ふわっと首元に触れるAの手
それどころか距離が近いからかAの髪か服の匂いがする
一瞬何がどうなってるのか理解できなかったのだが…
A「シャツの襟、立ってた」
Aはわざわざ
シャツの襟をなおしてくれた
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年6月16日 1時