104話 ページ7
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2人きりになんてなったら
何話していいのかわからなくなる
だからそんなAのことをよく理解してる藍里にいて欲しかった
ただただ、緊張してしまうからついついそういう事を言ってしまったのだ。
A「嫌いだからとか2人でいるのが嫌とかそういうのじゃないから…」
A「緊張して全く話せないよりはマシかなって思っちゃって」
今このことを言葉にするだけでも
大分緊張するというか、もう既に上手く話せてない気がして
自分がここまである意味伝えるのが下手クソな人間だとはAも思ってなかった。
全て想定外なことに変わってしまう。
鳴「緊張する…から?」
A「うん」
鳴「緊張する」
A「うん、その…なんだコイツって思うかもしれないけど…」
もごもごしながら話すA
なんだコイツって思うかもしれないけれどと言う言葉に続けて放った言葉が
今度はいい意味での方で鳴の心に突き刺さる
A「ドキドキしちゃって」
鳴「えっ…!?」
A「も、もういいよ!うん、いいよこの話!!大丈夫!行こう!!」
鳴「え、ちょっとAちゃん、どうでもよくない大丈夫じゃないよ俺!!」
A「なかったことにして!!」
これまでの比じゃないくらい
顔を真っ赤にしてそんなことを口にされたら
やっぱり戸惑うというか、こっちがドキドキしてくる。
正直少し一瞬だけ理性が飛んだ。
鳴「なんかもうAちゃんに勝てる気しねぇよ」
A「私球技全然ダメだから!」
鳴「違うってそっちじゃなくてさぁ!」
普段から話がなかなか通じないのがお互い戸惑ってるからかさらに通じない
朝から本当に心臓に悪い
Aは声をかけられた瞬間から息を引き取りそうだったくらいだが
でも…
A(やっぱりドキドキする、緊張する声だけ聞いてもすぐそうなる)
A(それでも……嬉しかった…)
あんなに周りに人がいたのに確実にわからなかったとはいえ話しかけに来てくれたことが
それ以上に嬉しかった。
最初は住む世界が違う人、そう思ってたのに関われば関わるほど惹き込まれ
色褪せてた世界が急激に色を得たように色鮮やかになっていく。
鳴(せっかく2人きりなのに半分逃げられてるんだけどこれ)
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年6月16日 1時