検索窓
今日:13 hit、昨日:1 hit、合計:36,284 hit

131話 ページ33








鳴がカルロスと白河と話している間

Aはいつもと変わらず藍里とおしゃべりしながら昼休みをすごしていた

そんなAの右手に握られてるのは紙パックに入ったバナナオレ

時々それを飲みながら藍里と話す。









藍里「でさ、そん時……ってどこ見てんの?」

A「え?いや、どこも…」

藍里「いや嘘つくのド下手くそかよ」

A「嘘ついてないし」









藍里の話に耳を傾けながら頷いたり話に混ざったりしていたAだったが

どうもさっきからキョロキョロと落ち着かない様子が目立つ

特に廊下をよく見ている

藍里はそんなAを見て全てを察した。









藍里「そんなに成宮がいないと落ち着かないわけ?」

A「えっ…何でそうなるの?」

藍里「いやだって成宮いなくなってから廊下見たり色々落ち着きがないから」

A「そんなことない」









本人はそう言って誤魔化すがこれは嘘だ

明らかにおかしい

鳴がいなくなってから落ち着きがなくなったし何かを気にしてるように見える

そもそも最近いつもおかしいのだ

何も細かいこと気にしなかったAが気にするようになった。









藍里「もうそれ好きじゃん、ムカつくわーいつまでも自覚しないの」

A「そんなんじゃないって何回言えばわかるの」

藍里「だってそうじゃん、ずっと何か待ってるような素振りしてさぁ」









藍里の指摘にちょっと不貞腐れたような顔をするA

そしてそのままぎこちない動きで誤魔化すようにバナナオレをストローで吸った

かつてバナナオレをこんなに嬉しそうに、愛おしそうに見る女子高生はいただろうか

いや絶対にいない、このバナナオレは幸せ者だと藍里は思う。









藍里「言葉と顔が合ってないんですけど」

A「言ったじゃん、バナナオレ好きなんだってだから嬉しくて緩んじゃうの」

藍里「嘘つけ!!!」

A「嘘じゃないってば」









バナナオレを貰った時も

こうして今飲んでる時も

終始表情が緩んでいるA

その理由がバナナオレが好きだからのひとつだけなのは絶対嘘に決まっている

もっと他にあるはずだ、例えば─

好きな子から貰ったから嬉しい、とか。









藍里「あ、成宮」

A「!」

藍里「嘘だよ」

A「…………ひどい」

藍里「もう自覚しろって!!うざったるい!」

132話→←130話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (41 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
116人がお気に入り
設定タグ:ダイヤのA , 成宮鳴   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちあき | 作成日時:2020年6月16日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。