121話 ページ23
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Aが白河とカルロスと共に
教室へと向かっている中
ミーティングのことをすっかり忘れている鳴は
購買でラスイチのバナナオレを買って少しご機嫌だった
大事なことなのでもう一度言う、「少し」だ。
藍里「ねぇ、成宮」
鳴「なに?」
藍里「遅くない?A」
鳴「トイレ混んでんじゃない?」
Aがいないからかほんの少し不機嫌だ
別にお昼ご飯を一緒に食べようだとか
そんな約束は全然交わしていないのだが
しれっと昼ごはんに混ざって連絡先を聞き出そうと考えていた。
でも今現在Aは教室から姿を消している
数分前にトイレに行ってくると教室を出てから戻ってきていない。
藍里「どした?」
鳴「いや…な〜んか…大事なこと忘れてる気がするんだけど思い出せねぇ」
藍里「記憶力皆無じゃん」
鳴「うるさいなぁ、人間なんだからひとつやふたつくらい忘れるものあるっつーの!」
その大事なことが
野球部のミーティングだということに
鳴はまったく気がついていない
下手したら白河よりも超怖い原田が教室に降臨する可能性が大ありなのに
呑気にバナナオレなんか買ってしまっている。
鳴「あ!!!!!」
藍里「うるさっ…急に大声出すな耳がイカれる」
鳴「Aちゃん帰ってくる!」
藍里「は?教室にいねーじゃん」
鳴「いや、来るよこれは確実に来る!!」
藍里「お前センサーかなんかついてんの?」
バナナオレのストローを出そうと思った瞬間
勢いよく椅子から立ち上がり
Aが帰ってくる!と言い出した鳴
教室に帰ってくるのはAだけじゃなくブチ切れ状態の白河とカルロスも一緒だと
誰か教えてやらないと大惨事になる
当然鳴がそんなことを知るはずがなく、Aの帰りをキラキラとした目で待っていた。
A「ごめん藍里、待たせちゃった」
鳴「ほら来た!来るって言ったじゃん!」
藍里「いや待ってないけど」
A「それと…成宮くんにお客さんが」
鳴「俺?」
数秒後本当に教室に戻ってきたA
その顔はいつもの優しそうな顔ではなく
どこか苦笑いに近い表情を浮かべた顔だった
お客さんが誰なのか全く分からない鳴は……
鳴「じゃあすぐ終わらせるからAちゃん一緒にご飯食べよ!」
超ノリノリで教室のドアへと向かった。
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年6月16日 1時