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110話 ページ12

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鳴「Aちゃんは優しいね、俺だったらトイレからトイレットペーパー持って来いって言う」

A「え?」







しばらくして隣の席にAが戻ってきた

貸したティッシュは全部なくなってしまったらしく、男子がぺこぺこ頭を下げてるのが見える。








A「でもまぁ…困ってる人を見捨てられないというか見て見ぬふり出来ないよね」

鳴「ふーん」

A「てか、成宮くん全然進んでないじゃん」

鳴「Aちゃんが悪いんだよ」

A「私?」

鳴「そ、Aちゃんがそこらの男子に絡まれてるから俺は集中できないの!」









ついつい誰かと話していたりするのを見てしまう、それが男子相手なら尚更

ここ最近で気がついたことだが

そこそこ男子の間ではAのことが話題になっている

結構かわいいんじゃないかだとかそんな話で。









鳴「結構じゃなくてめっちゃかわいいの間違いでしょ」

A「何の話?」

鳴「なーんでもない!」









鳴からすれば結構なんてものじゃない

モヤモヤしつつも俺はもっと先に気がついてたし!と自慢したくなるような気持ちもほんの少しだけある








鳴「Aちゃん」

A「はい」

鳴「ちょっとこっち来て、話しようよ」

A「課題は?」

鳴「それは………やりながら……」









課題なんてやる気がない

でも部活に参加できないのは嫌だ

でも今は課題よりも一緒にいられる時間が限られている好きな子と話がしたい

もっと知りたいし、教えてあげたいことがある。









A「手伝うよ、課題やるの」

鳴「え!ほんと!?…じゃなくて、別にいいよ」

A「一緒にやろうよ、その方が絶対に早く終わるから」

鳴「でも……なんかそれはちょっと…」

A「部活、行けなくなったら困るもんね」









最初はぎこちなく

遠慮しながら近づいてきたはずのAは

自ら椅子を持ってきて鳴の席のさらに近くに寄ってきた









A「分からないところ教えるね」

鳴「………よろしく」

A「うん」








慣れてきたのか

特に何も気にすることなく近づいてくる

望んでいたはずの近い距離、それがいざ現実になるとほんの少しだけ戸惑ってしまう









鳴「ここわかんない」

A「あ、そこ私も最初わかんなかった」








でも悪いものじゃない

嫌じゃないこの小さな喜びを

そっと噛み締める

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設定タグ:ダイヤのA , 成宮鳴   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年6月16日 1時

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