第198夜 ページ12
それからというもの、この夏休みあちこちに連れ回したのが嘘のように父は僕を遠ざけた
おかげであの日の夜の事は有耶無耶に終わってしまった
だが自室でホグワーツに戻る準備をしていると、実に10日ぶりに父から話し掛けてきた
「成長したな。1年生の頃はギリギリになって準備していたのに」
『……』
父様を無視しながら手を止めることなく荷造りをする
構わず父は背後から笑いを含んで続けた
「明日からまた学校なわけだが、今年は例年とは一味違うことは分かっているな？」
その言葉に動かしていた手を止め、僕は緩慢な動作で振り返った
『
「いいや、ある」
断言した父に僕は訝しげに首を傾げる
確かに他校の代表団と同じ敷地内で1年間過ごすけど、代表選手になるか積極的に絡まない限り関係はない筈だ
「大いにあるよ、A
各校の代表団は学年を問わず成績優秀者から選ばれる
……ここまで言ったら、もう分かるな？」
僕は持っていた魔法薬の材料を落とした
驚きで固まる
『……あの子、来るの…？』
「そういうことだ。久しぶりに会うんだから、しっかりエスコートしてやりなさい」
そう言って父が部屋を後にする
僕は暫く放心して父が出ていった扉を凝視していた
『そっか、リゼが…』
落とした材料を緩々と拾い上げ、僕は小さく呟いたのであった
.
.
.
出発の前に軽くティータイムを楽しみ、両親と共に駅へと向かう
今年の9と4分の3番線はいつもより異質な雰囲気に包まれていた
生徒と保護者でごった返す騒々しさは変わらないが、その騒めきの中に怯えや興奮といった感情が紛れ込んでいた
大方ワールドカップでの事でも話しているんだろう
ホグワーツ特急が白い煙を吐き出して入線してくる
あちこちで自分の家族とひと時の別れを惜しんで生徒たちが列車に乗り込んでいった
父様がいつものように僕の肩を掴んで視線を合わせて口を開いた
「良い学校生活を。まぁ直ぐにまた会うだろうが」
三大魔法学校対抗試合の事だ
しかしまだ未公開の情報なのでそれ以上は話を広げずに流す
踵を返して列車の入口の階段に足を掛けた
「行ってらっしゃいA」
両親が二人揃って列車に乗り込む僕を見送る
慌ただしい一年になる予感に僕は小さく息をついた
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三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2020年12月3日 10時) (
レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(ｷｭﾝ) なうでハリポタ見てます！来週ももちろんみます！笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります！もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年7月4日 18時
