第199夜 ページ13
(セドリックside)
前方を歩く煌めく白銀を見つけた瞬間、僕の胸が早鐘を打った
「おいセドリック！ 声掛けろよ！」
「チャンス！今がチャンス！」
同じくAの存在に気付いた同級生がニヤニヤしながら両側から肘で小突いてくる
応援してくれるのは嬉しいけど、そんな簡単に言わないでくれよ…
でも確かに、玄関ホールを一人ゆったり歩いているAに声を掛けるなら今がチャンスだ
僕は意を決して頷く
「A！ 久しぶり！」
『あ、セドリック。こんばんは』
振り返った蒼玉と目が合い心拍数が上がった
そんな僕の様子に気付く事なくAはいつものようにのんびりと続けた
『始業式に参加しようと思うんだけど、ハッフルパフのテーブルに行ってもいい？』
「も、もちろん！」
内心珍しいなと思いつつも僕はそう答えるので精一杯だった
『ふふ、ありがと』
ニコッと笑った顔が眩しくて僕は思わず顔を背けた
組み分け式も無事に終え、大広間中の生徒が今か今かとヨダレを飲み込む
「思いっきり掻っ込め！」
ダンブルドアの威勢の良い声が響くと、その合図と共にテーブル上に色とりどりの料理が並んだ
『セドリック、それ取って』
「えっ！？」
だが腹の虫が鳴き僕も手近なグラタンに手を伸ばした時、隣で大人しく座っていたAがそんなことを言った
目を見開き固まる
近くに居た僕以外のハッフルパフ生も皆一斉に彼を凝視していた
『？ なに？』
「な、何って……A、ご飯食べるの？」
『は？』
目をぱちくりさせたA
大きいな…目
「いや、ほら、入学してから大広間でAが食事してる姿を見たことなかったから」
『……あぁ、そういうこと』
一人納得した様子でAが目の前のかぼちゃスープをよそい苦い笑いを浮かべながら続けた
『ちょっとね』
そう言ってお行儀よくスープに口を付けたと思ったら、Aは少し思案するように目を伏せた
『……駄目だな』
「え？」
小さく何事かを呟いたようだが周りの騒音で掻き消され聞こえない
『僕はいいからセドリックも食べなよ』
「あ、うん」
Aに促されて慌てて僕も目の前の食事に手を付ける事にした
「さて！いくつか知らせねばならん事がある。もう一度耳を傾けてもらおうかの」
デザートも綺麗さっぱり平らげ満足した所で再び校長が立ち上がる
きっといつもの注意事項だ
僕は楽しい一年になる予感に心を踊らせた
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三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2020年12月3日 10時) (
レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(ｷｭﾝ) なうでハリポタ見てます！来週ももちろんみます！笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります！もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年7月4日 18時
