第31夜 ページ33
「君は学校が楽しくないかね？」
先生が僕の目をとらえて単刀直入に聞いてきた
似たような質問、前にもされたなぁ…
『そんなことないよ』
これも同じ返答。けれど先生は「嘘はつかんでいい」とお見通しのようだ
「君は優秀過ぎるほど優秀じゃ。学校の授業がつまらぬと思っても仕方ないじゃろう」
そう言う先生に、僕は観念して『うん、確かに…つまらない』と零した
それでも責める様子がない先生に、僕も自分の気持ちをポツポツと語り出した
『僕ね、ホグワーツに価値を見い出せない
授業はもう、とっくの昔に習った事しかやらないし、図書室の本も読み尽くしてしまった』
「禁書もかね？」
『まさか』
僕は肩を竦めて、また口を開いた
『知識を身に付けるだけなら、家でも出来る
魔法を習得するだけなら、一人でも出来る』
「しかし学校でしか出来ぬ事もあるのじゃよ、A」
口を挟んだ先生を、黙って見返す
先生が微かに笑って続けた
「君の場合、友に会えるのは学校だけじゃろう？」
『…僕に…友達なんて…』
僕が小さく呟くと、ダンブルドア先生は「そうかの？」と言って笑った
「友に限らず、先生に会えるのも学校じゃ」
『ここは学校じゃない』
「これは特別措置じゃ」
「冗談じゃよ」と言ってほっほっほと笑う御老人に僕は負けた感じがしてフイっとそっぽを向く
「君は無理に授業に出なくてよい」
『…え？』
しかし先生の言葉に、そんなこと言われると思ってなかった僕は驚きで声を漏らす
「君だけ特別なわけではないのじゃよ
クィディッチが得意な生徒がいれば試合の規定年齢を見直すし
意欲がある生徒には、より多くの授業を受けられる機会を設けるじゃろう」
僕は黙って先生の話を聞いていた
「そして君には、自由を与えよう
自分に必要だと思った事を探す時間をな
生徒に合った環境を整えるのも、先生の仕事じゃよ」
そして「君は探求に向いているようじゃの、スプラウト先生に面白い質問をしておったのを知っとるよ」と続ける先生に、僕は少し気が楽になった
『…ありがとう、先生』
「じゃがテストには出るのじゃよ、先生達がどう評価すべきか嘆いとった」
『あはは、…ごめんなさい』
それから立ち上がってトランクケースを引っ張り出し、学校に行く準備をした
その間レモンキャンディを食べ始めた先生だが、僕は先生こそ偉大な魔法使いだと確信せずにはいられなかった
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一ノ瀬 潤(プロフ) - 深掘りしたやつ公開範囲制限されたのですね😭見れなくなって残念です (6月14日 22時) (
レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - はぁ⁉︎めちゃくちゃ好きなんですが~⁉︎読み始めたばかりなのですが、応援してます！！！ (2023年4月17日 21時) (レス) @page2 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
あまおうよりとちおとめの方が好き(プロフ) - 主人公の塩がちょうどいいくらいで好き (2023年2月2日 23時) (レス) @page27 id: 98a18d93d3 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - この神作品を今の今まで知らなかったｯ！！もう最高です！主人公くんの心境とかの変化がゆっくり変わっていてとても読みやすいです！ あと「作者様って本派の人だｯ！」ってことに気づいてとても嬉しかったです！これからゆっくりではありますが一気読みしてきます！！ (2021年9月23日 21時) (レス) @page50 id: 902e47dacc (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - こういう作品、ほんといいてすよね！もう、全部一気読みしてしまいました！ (2021年2月19日 7時) (レス) id: 58abb9e774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年1月24日 23時
