16.母国 ページ18
私達、親子は今は亡き“マルバス”という国から
草木や水が美しく、周辺諸国からも暮らしやすい国だと認めるほど穏やかな国だった
だが、ある日を境にその平和は崩れ去る事となる
“マルバス”とは別名“不死の国”とも呼ばれ、1度訪れれば長生きができると言われる程の国であり
その名の由来は国の至る所に人々を癒せる空間があり、まるで世界から切り離したように過ごせるというものからだと言われていた
けれど、その実、神の目を持つ人々に治癒力を使える者が多く、病や怪我などを早い段階で治療できるという特徴を持っており
その力は王族が1番強いとされていた
そこに目をつけたのが国を裏切り、滅亡まで追いやった一貴族…ベルナール侯爵家
彼らは“禁忌”に触れたのだ
民の命と引き換えに陣を描き、自らの不老不死の為に呪いの言葉を唱え儀式を行った
母さんが遺した手紙には、全てを失う前に国王が阻止する事が出来たものの
国王自身の命と引き換えに儀式に巻き込まれ、苦しんでいた民を助けたのだ書いてあった
一度発生した禁忌の儀式は数年に渡り、辺りに漂い、その霧に触れれば命を蝕まれるそう
まるで呪いだ
人が住める状況で無くなった事と、国王が崩御した事により“不死の国”と呼ばれた“マルバス”は滅んだのだった
私の話を聞き、ジンが考え込む
「こうも歴史のある国ならば、何故文字にしろ、文化にしろ、記録が残っていないのだろうか?」
『マルバスは秘密主義なところがあったみたいよ。人の出入りは多かったようだけど、民を守る為、最低限のかん口令が敷かれていたみたいね。文字だってこの国の人しか分からないよう、外では共通語を使っていたみたいだし。治癒力を持ってるなんて知ったらその人を狙う輩が出てきてもおかしくないし…戦を好まないなら尚更隠し通すでしょうね』
「なるほど。メモにその文字を使っているという事は、これを書いた者はマルバスの者という事か」
『えぇ、恐らくね。そして、それは秘境で見たあのフードの男だと思って間違いなさそうね』
「ふぅ…凄い情報量だな。Aの母君は余程重要な役目を果たしていたのだとお見受けするが」
『…きっとそれが
自身の首に付けている首飾りにそっと触れ、目を伏せる
ジンにだけは伝えておこう
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紗々(プロフ) - えむさん» えむさん、コメントありがとうございます!ガイア大好きなので、言わせたいセリフ詰め込みました笑 そう言ってもらえて凄く嬉しいです!フッと物語が浮かんできたらまた少しかもですけど書きたいと思います! (3月4日 23時) (レス) id: daaa8df44c (このIDを非表示/違反報告)
えむ - ほんっとうにいいお話でした。本当にガイアと会話してるみたいでドキドキしちゃいました!「⚪︎⚪︎は赤より青の方が似合う」っていうセリフがすごく好きでした!なんかちらっと短編でもいいのでアフターストーリーが読みたいです! (3月4日 20時) (レス) @page40 id: a4278effba (このIDを非表示/違反報告)
紗々(プロフ) - 星空ブリキさん» 星空ブリキさん!コメントありがとうございます!!ガイア好き過ぎるのでそう言ってもらて嬉しいです❤️ (2022年9月1日 13時) (レス) id: daaa8df44c (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - ピャーーーー(//∇//) 甘い………甘すぎるよこれは………………ヤバイ(´ω`」 ∠): (2022年9月1日 9時) (レス) @page40 id: ea3b6f671f (このIDを非表示/違反報告)
紗々(プロフ) - 朱音いろさん» 朱音いろさん、ありがとうございます!そう言っていただけると凄く嬉しいです!今後も精進していきますので新作出た時はまたぜひ! (2022年7月10日 15時) (レス) id: daaa8df44c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗々 | 作成日時:2022年5月11日 20時