【桃井さつき】大嫌いと塗り固めた【黒バス】

21.自己犠牲 ページ21

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私と修造の中で決めているルールがある。ほう れん そう。所謂、報告 連絡 相談。それら全てをお互いにし合う。そして 弱音や辛いことは抱え込まず、二人で分かち合う。

そしたら 辛いことや苦しいことは半減する。受験のプレッシャー、部活の悩み事。全部それらを軽くするための一つの手段。ストレスを抱え込まないための 二人の暗黙の了解。


私は今日もそれを守り、修造に報告する。
Ａのこと、そして アメリカのこと。


「…じゃあ、桃井のために日本に残るのか？」
「かもねぇ。」


Ａのことは相手も相手だったので、先輩の教育の一環として流され、アメリカのことは根掘り葉掘り 深く深く聞かれた。
アメリカの友人のこと、その師匠のこと、そして 日本に残りたい理由。

全てを聞いた後、修造は溜息を吐いて｢馬鹿じゃねぇの？｣と言われた。いきなりそんなことを言われたら、誰だって困る。はぁ？と首を傾げると、修造は話し始めた。


「お前のそれはただの自己犠牲だ。いくら約束とはいえども、度が過ぎる。」


約束。私をずっと生かしてくれている大切な言葉。その約束に限度なんてないのだから、度が過ぎるなんてこと ない。だがそう反論する勇気はない。だって、修造の目があまりにも真っ直ぐだったから。
そんなに真っ直ぐ見られたのは いつぶりだろう。


「お前は頑張りすぎだ。自己犠牲しすぎだ。不器用すぎる。加減を覚えろ。お前だって、桃井と同じくらい大切にされてんだろーが」


そう言って私の頭に手を置く修造。嗚呼、やめて。やめてよ。そんな事言われたら、約束なんてすっぽかしてしまう。そんな事言われたら、甘えてしまう。だから、やめて。

お願い。私を、約束の守れない弱い人間にしないで

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