白き雪の妖精魔導士4《FAIRY TAIL》

王子様 ページ20

私は小さい頃から童話が好きだった


人魚の女の子

動物に愛される歌の上手な女の子

召使いとして育てられた心優しい女の子


どの童話にも必ず素敵な王子様がいて


人魚の女の子は悪い魔女から

歌の上手な女の子は継母から

王子様が救いだしてくれて


召使いとして育てられた女の子は
優しい魔法使いに出会い舞踏会へ行き
王子様と出会う



なんて素敵な話なんだろう………


私にもいつかきっと素敵な王子様が現れるはず

そう思っていた

でも…………ダメか………

そんな素敵な出会いなんて
よっぽどの幸運が無ければ現れない



死んでしまった私は王子様のキスで目覚めないかな

死ぬ直前までそんな馬鹿な事を考えていた



A｢ゴホッゴホッゴホッゴホッ！！！！｣



？？？｢A！！！！｣



私の口から水が吐き出され目を開くと
ずぶ濡れのグレイが私を抱きかかえていた



A｢はぁ…はぁ…グレイ………私……｣



グレイ｢死んだかと思っただろうが！！！！｣



グレイは私を抱きしめると声を震わせた



A｢どうして…ここに……？｣



グレイ｢心配で探してたら女二人が
Aを川に蹴落としてるのが見えたんだ

安心しろ

エルザが2人をルーンナイトへ引渡しに行った｣



A｢好きだって……｣



グレイ｢はぁ？｣



A｢グレイの事……好きだって言ってた……｣



グレイ｢関係ねぇよ

仲間を傷つける奴は誰であろうと許さねえ｣



A｢好きだから………だよ

私がいるから……こんな事に………

私はやっぱり……疫病神……｣



グレイ｢そんな事ねえ

二度とそんな事言うなよ……｣



A｢でも………｣



グレイ｢言いたいやつには言わせておけ

Aが気にして落ち込む必要はねぇ｣



A｢……………………………｣



グレイ｢A？｣



グレイはグッタリとする
私の顔を見ると額に手を当てた



A｢身体が熱い………｣



グレイ｢お前……熱が……！！｣



するとグレイは私を抱きかかえると歩き出した

熱→←窒息

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