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12小節目 ページ14

♡12小節目


.




「先輩に、言われたんだ。」



胸に手を当てて目を閉じる
あの日、先輩に言われた言葉。




“相楽のそれは、きっと恋だよ”




先輩がそう言わなかったのなら気づいてなかったのかな、
だなんて。

考えたらちょっと怖いけど。





「相楽がいつも話す先輩ってどんな人なの?」


視線は外のまま、問われる
だから私も視線を外に向けて



「同じパートの先輩でね、トランペットが凄くうまいの。
今ソロ吹いてたりしてかっこいいんだ」


何気なく、そう言っただけだった。

……のに




「……相楽、それって……松橋彩未?」

「え……うん。」


「そっか、彩未……相楽の。」





ごめん、帰る。


そう言い残しくるりと振り返ると
そのまま小湊くんは走り去った

何が起きたのか分からずに、私はその場に立ち尽くして





「なんで……?」




なんで、あの時の。
あの時の、悲しい顔をしたのか─────






.




亮介side



動揺した。

相楽の先輩が彩未……元彼女だっただなんて。






「亮介、ごめん。私達、別れよっか」

「……え、なんで」

「亮はちっとも私のこと、見てないから」




そう言って寂しそうに笑う彩未の顔がふと脳内をよぎる
綺麗なその顔はその時は涙に濡れていて

俺は、その場に立ち尽くした





「亮は他の子のこと、ずっと見てる
私が髪切っても気づいてくれないのに、その子が
髪型を変えたらすぐに気づいてたし」

「それに、亮介がこっち見てると思ったら
視線は合わないし、私より少し左を見てたし」



わたしが、無理を言って付き合ってもらってた。
亮とは本当に楽しかったよ、ありがとう



その言葉を最後に、彩未とは関係を解いた
彼女は、泣きながら。
俺は、彼女の姿を探しながら。

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泉原 瑠守(プロフ) - giow*さん» コメントありがとうございます♪ 読みやすいと言っていただけて嬉しいです!! 最後まで読んでいただきありがとうございました♪これからも泉原作品をよろしくお願いします^^* (2016年8月14日 8時) (レス) id: 9b6d24cd37 (このIDを非表示/違反報告)
giow*(プロフ) - コメント失礼します。小説自体がお手頃で読みやすかったです(*^^*)そして私の好きな亮さんがかっこよかったです(笑) 素敵な作品をありがとうございました(*´∇`*) (2016年8月14日 7時) (レス) id: bbe63942de (このIDを非表示/違反報告)
泉原 瑠守(プロフ) - ノヤナさん» ノヤナちゃんありがとう♪亮介さんかっこいいって言ってもらえて嬉しいな〜!!評価コメントありがとう♪これからも応援よろしくね! (2016年8月7日 16時) (レス) id: 9b6d24cd37 (このIDを非表示/違反報告)
泉原 瑠守(プロフ) - Natumeさん» 評価も嬉しいですが、私は読者様からコメントを頂けるのが1番嬉しいので、Natumeさんからたくさんのコメントを頂けたので頑張れそうです♪更新頑張るのでこれからも応援よろしくお願いします! 長文失礼しました! (2016年8月7日 16時) (レス) id: 9b6d24cd37 (このIDを非表示/違反報告)
泉原 瑠守(プロフ) - Natumeさん» 柔らかな文章だなんて……お褒めに預かり光栄です^^* 確かに台本書きの小説は殿堂入りが多いですね。昔も私は台本書きタイプだったんです。でも、アカウントを変えてからは如何に読者さんが読みやすく、情景がわかりやすく、というのを心がけてます♪ (2016年8月7日 16時) (レス) id: 9b6d24cd37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:泉原 瑠守 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Rumahappin2/  
作成日時:2016年8月1日 17時

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