遅すぎ ページ23
「トードー松っ」
「うわ」
スパン、と襖を開けて入ってきたのは我らが長男、おそ松兄さんだった
「うわって言ったな!?」と言いながら近づいてくるもんだから無視してスマホに目線を戻した
「他の奴らね、俺を置いてってどっか行ったんだよ〜」
「兄さんと一緒に出掛けるのは他人の目が気になるから嫌なんじゃない?」
「ストレートに貶しにかかってるな」
「長男様に向かって」と髪の毛をぐしゃぐしゃにしてくる兄さんに「やめてよ!」と軽く蹴りを入れる
「ちょっともー、ほらぐしゃぐしゃ・・」
「どーせ綺麗にしたって女子と会う約束もねーんだから」
「彼女っ気ゼロ松兄さんには言われたくないよ」
全く、と呟きながら髪を直す
僕の言葉に「はぁあ!?」と大袈裟なリアクションを取る
「お前も人の事言えねぇかんなー!」
「彼女いねぇくせに!」と声を上げる兄さんに「兄さんと一緒にしないでよね」とスマホの電源を切って兄さんに向き直った
「僕は兄さんと違って、正々堂々好きって想いを自覚してるし」
ちょっと嫌味ったらしかったかもしれない
けれど、この激鈍兄さんの目を覚まさせるには、このくらい刺激してやらないと
「・・・」
何も言い返してこない兄さんに「あれ?」と顔を上げた
さすがに言いすぎたのか、と兄さんを見るも、下を向いて表情が読めない
「おそ松兄さ・・・」
「してるよ」
謝ろうとした僕の言葉を遮って、おそ松兄さんの芯の通った声が居間に響いた
急な発言に訳がわからなくて「えっ」と声を漏らした僕に、兄さんは顔を上げて迷いのない真っ直ぐとした目線を向けた
「自覚、してる」
その言葉に、息を飲んだ
え?それって、つまり、ということは・・・
「俺、Aちゃんが好きだって・・ちゃんと、気づいたから」
らしくもない正座をした太腿の上で、ぎゅ、と結ばれた拳と
これまたらしくもない真剣な表情
そんな兄さんに、「・・あのさ」と言葉を失っていた僕はようやく口を開いた
.
「・・・ッ、おっっっっそいから!!!」
「えっ」
勢いよく立ち上がって兄さんに指差した
「遅すぎ!!自覚すんの!!!
ほんっと!見てるこっちがモヤモヤしてたっつーの!!!」
「えっ、あ、そお?」
「そうだよ!!!」
呆気にとられている兄さんを、僕は鋭い言葉で貫いた
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サクラ - 終わらないで!戻ってきてください!続き楽しみに待ってますので!おそ松と無事結ばれてほしーです! (2018年1月9日 14時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
おそ松girl時雨 - にーさんカッコよすぎです…更新頑張ってくださいね! (2016年8月6日 21時) (レス) id: 2b690a9cab (このIDを非表示/違反報告)
ろず(プロフ) - 兄松推しさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!!これからも応援、よろしくお願いします!!! (2016年8月6日 14時) (レス) id: 5d4b05ad9d (このIDを非表示/違反報告)
ろず(プロフ) - ユリミ〜さん» ありがとうございます!最近更新が疎かになってきているので、もっと頑張りたいと思います!!これからも応援宜しくお願いします!! (2016年8月6日 14時) (レス) id: 5d4b05ad9d (このIDを非表示/違反報告)
ろず(プロフ) - ここあさん» 兄弟の中で一番恋愛に詳しいのはトド松かな、と思って客観的かつアドバイザーという立場にしました!そう言っていただけて嬉しいです(*´▽`*) (2016年8月6日 14時) (レス) id: 5d4b05ad9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろず | 作成日時:2016年7月4日 23時