卑怯 ページ12
「カラ松兄さ〜ん」
ひょこ、と顔を覗かせれば、布団を敷き始めているカラ松兄さんがこちらを見てへにゃりと笑った
「トド松ももう寝るのか?・・ああ、さては俺の天使の如く歌声と共に眠りにつきにでもきたのーーー」
「クソな発言やめてイタ松兄さん」
「クソ・・」と落ち込むカラ松兄さんにふう、と溜息を小さくつく
「さっきの」
「ん?」
兄さんが布団を敷き終えて座り込んだ隣に僕も腰を下ろした
「すごかったね、あんな大声で好きだなんて」
にや、と笑えば「そ、そうか?」とまた染まってきた頰をぽり、と掻く
「何で急におそ松兄さんにあんなこと言ったの?」
「・・・いや、俺もよくわかんない」
「・・・」
はは、と笑うカラ松兄さんに脱力する
何だそれ、とツッコミたくなった
「でも、今日兄さんと雨宮が楽しそうに話してるの見て、その・・嫉妬したんだ、俺」
その言葉に目を見開いた僕に、兄さんは力の抜けた笑いを浮かべた
「見苦しいし、ただ仲良く話してるだけなのに、って思ったんだけど
そう思ってもやっぱ心にモヤがかかったみたいになって」
「気づいたら、あんなこと言ってた」という兄さんのアホみたいな発言に「あ、そ」とため息まじりに言った
「でも良いの?バレちゃったけど」
「・・・まあ、いつかはバレることだしな」
「ふうん」
そういうもんなのかな、と思ったけど、兄さんがおそ松兄さんに真剣な表情を向けていたことを思い出して「まあ、いいか」なんて思った
「ズルいんだよ、俺は」
「え?」
兄さんの顔を反射的に見れば、眉を下げて脱力した笑みを浮かべていた
「ああやって言うことで、兄さんが俺を応援してくれる
そしたら兄さんが雨宮を好きになることもないんじゃないかって思う俺もいるんだ」
「卑怯な奴だろう?」と肩を下げる兄さんに「そんな事・・」と呟くが、兄さんは首を横に振った
「嫉妬したからつい、なんて建前なのかもな」
「・・カラ松兄さん」
いつもの兄さんじゃないみたいだ
カラ松兄さんは、松野カラ松は、こんな弱音を吐くような男じゃない
「・・・バッカじゃないの」
僕はいつの間にかそう呟いていた
「恋愛に卑怯もなにもないよ!仲良くしてる人に嫉妬するなんて当然じゃん!
そいつが自分と同じ人を好きになって欲しくないって思うのも、当たり前だから!!」
兄さんは目を見開いて僕を見た
113人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サクラ - 終わらないで!戻ってきてください!続き楽しみに待ってますので!おそ松と無事結ばれてほしーです! (2018年1月9日 14時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
おそ松girl時雨 - にーさんカッコよすぎです…更新頑張ってくださいね! (2016年8月6日 21時) (レス) id: 2b690a9cab (このIDを非表示/違反報告)
ろず(プロフ) - 兄松推しさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!!これからも応援、よろしくお願いします!!! (2016年8月6日 14時) (レス) id: 5d4b05ad9d (このIDを非表示/違反報告)
ろず(プロフ) - ユリミ〜さん» ありがとうございます!最近更新が疎かになってきているので、もっと頑張りたいと思います!!これからも応援宜しくお願いします!! (2016年8月6日 14時) (レス) id: 5d4b05ad9d (このIDを非表示/違反報告)
ろず(プロフ) - ここあさん» 兄弟の中で一番恋愛に詳しいのはトド松かな、と思って客観的かつアドバイザーという立場にしました!そう言っていただけて嬉しいです(*´▽`*) (2016年8月6日 14時) (レス) id: 5d4b05ad9d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ろず | 作成日時:2016年7月4日 23時