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ご主人 ページ1

太宰side
パタンッ…

家に入ると、片付いている綺麗な部屋だった。

「真っ黒な猫ね」

楽しげに女性は笑う。

「ニャー(君の名前は?)」

言っても通じやしないか。

私の身体を拭く手は優しい。

時折私の頭を撫でてくれる。

何となく小さな子供になった気分だ。

「お利口な猫ね。名前はどうしよう?」

また私を撫でると呟いた。

猫に成りたいとは思ったけど、真逆名までくれるなんて。

「んー、クロ。黒いからクロね?」

ニッコリと花が咲いた様な笑顔で女性は笑った。

クロか…悪くないね。

「ニャー(有り難う)」

通じないが言ってみた。

「気に入った?私は鈴だよ」

鈴、胸が高鳴った。

彼女をもっと知りたい。

彼女は私を拾ってくれた。

側に居たいと切実に思った。

「ニャー(鈴)」

「ご飯はどうしようか?」

考え込む鈴。

「取り敢えず何か、どれが良い?」

冷蔵庫の中から食材を持って来た。

「ニャー!(蟹が良いなぁ)」

「蟹が良いの?変な猫ね」

クスクスと笑い私が食べ易い様にしてくれた。

人間に戻ったら抱き締めても良いのだろうか?

猫だからこうしてくれるのだろうか?

蟹を食べているとじっと彼女が見ていた。

「…綺麗な猫ね、本当に」

瞳が反射して銀色に見えた。

彼女の瞳はとても紅い筈なのに。

綺麗な黒髪をかき上げて彼女はまた笑った。

「ニャー(好きになってしまったよ)」

そう言ってみた。

何方にしても分かりやしない。

「甘えん坊なのかな?」

胸元まで抱き上げられる。

此れは理性が持たない。

「ニャアー!(離し給え!)」

「こら暴れないの」

私を抱き上げて何処かに連れて行く。

真逆…

「お風呂嫌いかな?」

「ニャー!(鈴!)」

自分の服を脱ぎながら鈴が私を風呂場に行かせる。

本当に此処で人間に戻ったらどうすれば良いのだろう?

いつ戻るかも分からないのに。

「ッ‼」

「暴れないの」

裸身の彼女が私を持ち上げる。

私は変態になりたくないのだけど…。

猫だからセーフで良いかなぁ?

「良い子ね」

何方にせよ彼女が笑ってくれる事が一番嬉しく感じた。
ーーー

「ニャー(酷い目にあった…)」

風呂から上がると鈴はソファで寝入ってしまった。

此処で寝ていたら風邪を引いてしまう。

人間に戻りたい、彼女の為に。

「へ?」

いきなり天井が近くなった。

自分の口からはちゃんとした言葉が出る。

何だろう、ふさふさとして…

「猫耳ッ!」

側に居たい→



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - 有難うございます!更新遅くならないようにしますね! (2017年6月10日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2017年6月10日 10時) (レス) id: ce2af6657d (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 有り難うございます!そう言ってもらえると嬉しいです (2017年5月21日 8時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 夏さん» 頑張って書きますね!コメント有り難うございます! (2017年5月21日 8時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 面白いぃぃぃぃ!!(ΦωΦ)更新がんばって! (2017年5月21日 8時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年5月14日 18時

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