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側に居たい ページ2

自分の頭には猫耳が付いている。

夢と願いたいよ。

後を見ると尻尾が生えている。

「私が人間に戻りたいと願ったからかなぁ?」

暫し考えを巡らせるが其れしか思い当たらない。

「…クロ…」

小さな囁きが耳に入った。

ハッとしてそちらを見ると彼女は寝ていた。

「鈴」

名を呼んでみる。

まだ届かないが、彼女から離れたくなかった。

寝ている姿がとても愛しい。

会って数時間しか経っていないと言うのに。

「風邪を引いてしまうよ」

彼女の寝室にお姫様抱っこで連れて行く。

まだ上気している頬にそっと触れる。

「私が人間だと言う事を知らないのだろうね」

知る筈が無いだろう。

「んっ…」

微かに呻き声を上げた。

「鈴?」

心配になり顔を覗き込む。

見ると涙を流していた。

何故?

そう言えばこの子の家族はどうしたのだろうか?

見た目からして大人っぽいので、私と同じ位だろうか?

「鈴」

名を呼ぶと甘い響きで反響する。

寝ている君は知らないだろうね。

私が君の寝顔を見ている何て。

愛しい君の唇に悪戯しては駄目かな?

猫に戻ったらしても良いのかなぁ?

「好きだよ鈴」

心なしか鈴が笑った様に感じた。

「…我慢出来ないかも」

艷やかな唇は弧を描いている。

其の頬には涙の跡が。

涙の跡を指で触れる。

「私が側に居てあげる」

いや、私が居たいだけかも知れない。

「おやすみ鈴」

額にキスを落とす。

其れでも飽き足らず鈴の瞼にキスを落とした。

「良い夢を」

そろそろ猫に戻らなくては、夜が明けてしまう。

猫に戻りたいと強く願った。

もう一度目を開けた時にはもう猫になっていた。

「ニャア(ありゃりゃ)」

手を見ると、肉球の付いた獣の手だ。

異能力では無いし、神の悪戯だろうか?

この子の側に居れるなら何方でも良い。

鈴に寄り添い眠る事にした。

「ニャアン(鈴)」

彼女に抱き締められながら眠りに付いた。

ーーー

朝起きると、彼女の姿は無かった。

一夜の夢だったのだろうか?

そんな筈は無い、彼女の温もりはまだ肌に残っていた。

仕事だろうか?

ご飯が用意されていた。

蟹が皿に盛り付けられて水と一緒に置いてある。

今なら人間に戻っても大丈夫だろう。

問題は猫耳と尻尾なのだよね。

用意された蟹が美味しく感じる。

私は人間に戻りたいと願う。

呆気なく戻り、人間の姿になる。

彼女の家から出て、私は暫し彼女を探しに行く事にした。

高校生…?→←ご主人



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - 有難うございます!更新遅くならないようにしますね! (2017年6月10日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2017年6月10日 10時) (レス) id: ce2af6657d (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 有り難うございます!そう言ってもらえると嬉しいです (2017年5月21日 8時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 夏さん» 頑張って書きますね!コメント有り難うございます! (2017年5月21日 8時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 面白いぃぃぃぃ!!(ΦωΦ)更新がんばって! (2017年5月21日 8時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年5月14日 18時

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