嫉妬してくれないかい 太宰治 続き ページ16
「えっと、太宰の恋人は私だけど何か?」
笑顔で奏が対処する。
それに女は、たじろいだ。
「太宰さんは、私のよ!」
「はぁ、そうですか。本人の物だと思いますよ。」
くだらなそうに女を奏が見つめた。
「でも、一緒になってくれると言ったんですよ!」
「一緒に?じゃあ、頑張って下さい。」
ススッと、女を私の前に押し出した。
普通怒るよね!?
奏以外唖然としていた。
「太宰さんの恋人じゃないの?」
その言葉に、奏は首をかしげた。
「そうですが、お邪魔でした?では、さようなら。」
何を勘違いしているのだろうか、奏が去っていこうとする。
その足を止めたのは、私ではなく女だった。
「何で恋人なのに、平然としてるの?とられても言いわけ?」
「とられないですし、太宰がそう言ったのなら頑張って下さい。」
女の手を引き剥がして、また私の方に向かせた。
「どういう事よ!」
「だから、頑張って下さいってば!」
めんどくさそうに奏が言った。
それでも納得してない女を見て、奏はため息をついた。
「私ですね、この子、敦君と付き合ってるんです。じゃ、そう言うことで!!」
ばっと逃げようとした奏を、私は止めた。
「どういう事だい?」
「えー、太宰面倒ごとに巻き込まないで。」
私が聞いているのはそこじゃない。
敦君と付き合っている?
そんなこと一斎分からなかったし、知らなかった。
だから、私が女性と喋っていても平気だったのだろうか。
「敦君と付き合っているのかい?」
「ち、違いますよ!太宰さん!!」
敦君が必死に訴えてきた。
けど、私は奏だけを見ていた。
「太宰、此方来て…、めんどくさくなったじゃんか。」
私を引っ張って奏が歩く。
が、私は待てなくて此方を向かせた。
「どうなんだい?」
「付き合ってないよ。あの人が必死そうだったから、嘘ついたの。」
「嘘でも、私は嫌だったのだけど。」
「ごめん、太宰。許して?」
私を上目遣いで見てくる奏は可愛くて、怒りが何処かにいきそうになる。
「奏は、私をとられてもいいのかい?」
「太宰がそうしたいなら、そうするといいよ。」
私はその言葉に、いらっとした。
「奏はそれでいいのだね?」
「太宰が良いなら、いいよ。」
「そうかい、もういいさ。浮気してくるよ!!」
私は怒って、奏を置き去りにして帰った。
平然としていて、本当に私の事を想っているのだろうか?
嫉妬してくれないかい 太宰治 終わり→←嫉妬してくれないかい 太宰治
140人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» ありがと (2017年3月20日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
桜唄(プロフ) - 彼岸花さん» はい。 (2017年3月15日 23時) (レス) id: 920de4e9ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» え、本当ですか!? (2017年3月15日 23時) (レス) id: 96fec89993 (このIDを非表示/違反報告)
桜唄(プロフ) - 彼岸花さん» 済みません、もうはずせてようですよ? (2017年3月15日 22時) (レス) id: 920de4e9ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» やってみます! (2017年3月15日 22時) (レス) id: 96fec89993 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年2月20日 18時