ヒロアカキャラが、ヤンデレた。

天喰 環@カニバリズム ページ11

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最近、よく考えることがある。


とても艶やかで、ふんわりと香る髪だとか。

宝石のように光る潤んだ瞳とか。

まるでプリンのように柔い頰だとか。


「環くん？どうかした？」

「…なんでもない、です」

「ふふ、なんで敬語なのー？」


甘い声を紡ぐ、赤い唇とか。

艶めかしく影を落とす白い首筋だとか。

俺を誘惑するかのようにしなる指とか。


おいしそうだなぁ、と思う。


そんな俺の視線を不思議に思ったのだろう。

彼女は顔を覗き込むようにして、俺を見つめる。

たまらず伸ばしそうになった手を、握りしめた。


「…A」

「なに？」

「お願いが、あるんだ」


声が震えそうになったけど、必死に気を引き締める。


「もしかしたらキミは嫌だっていうかもしれない…いや絶対に嫌だっていう…うわ、死にたい…」


ネガティブな感情が胸を占める。

だんだんと視線とともに気持ちも下がっていく。


「好きな人の頼みなんだから、嫌だっていうわけないでしょう！」


ねえ言ってみて、とせがまれ渋々と口を開く。

そして、俺は彼女の瞳を見て言った。


「キミの全てを、俺にちょうだい」


俺の言葉に、目を見開いてから嬉しそうに微笑んで頷いてくれるA。

『もう私は環くんのものだよ』だなんて言う彼女はまだ本当の意味を理解していない。

俺の『ちょうだい』の意味を。


…ああ、早く喰べてしまいたい。


髪も、瞳も、腕も、指も、足も…血液の一滴だって美味しく食べてしまおう。

骨の髄までしゃぶり、骨さえもを噛み砕いて取り込んでしまおう。


大丈夫、俺は“サンイーター”だから。

太陽さえ食らうんだ、キミのことを喰らったっておかしくないだろう？

残さず食べるから、どうか安心してほしい。


そうしたら、これ以上誰の目に触れることなく、キミは俺の中で生きていくんだ。

余すことなくキミを食べて、俺とキミは“ヒトツ”になるんだ。

なんて素敵なことなんだろうね？


キミが望むなら、俺の全てをキミにあげるよ。

だから、キミの全てを俺にちょうだい。

その爪の一欠片も、涙さえも外に流れ出てしまう前に。


…俺はね、Aのその誘惑するような白くて細い指がとても好きなんだ。

まあ、嫌いなところなどないけれど。


＿＿＿＿だから初めはキミの指から喰べても、いいだろうか？


「いただきます」


パチン、と手を合わせる。

そして首を傾げる彼女の手を取り、ゆっくりと口を開けた。

尾白 猿尾→←爆豪 勝己@崇拝型*台詞あり

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