浮気 35 ページ36
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「浮気したのだって、Aにヤキモチ焼かせる為だったんッス。」
「…意味、わかんない…し…。」
そう呟けば、隙間を埋めるようにぎゅっとキツく抱き締められる。
濡れた服が肌にくっついて不快で、凄く苦しかった。
それでも…嬉しくて。
涼太の腕の中にいることが、死ぬほど嬉しくて。
「俺は、一年生の一学期の終わりの頃にAの存在を初めて知ったんス。」
「誰も見てないよーな、教室の隅にある小さい植木鉢の花に毎日水やって。」
「花に優しく笑いかけてんのを見るのが、いつの間にか日課になってて。」
「初めてAに話しかけた時は、もう本当緊張し過ぎて心臓が破裂しそーなくらいだったッス。」
「なに…それ…。」
じゃあ、涼太は私が好きになる前から…?
「…A、俺…ずっと不安だったんスよ?」
「青峰っちと仲いーし、俺が女の子に騒がれてても文句の一つも言わない。」
「だから…好きでもない奴にわざとくっつかれてみたりしたのに…。」
「A……俺に何も言わないから…。」
「…も、…なんで…そーゆーことするかなぁ…?」
涙が零れる。
でも、今までとは違う涙。
「私…ほんとぉに…涼太に、嫌われたかと…思ってた。」
「んなわけないッス!」
「…ねぇ、涼太…。」
「…なんッスか?」
ごめんね。
私が、ちゃんと言ってれば良かったんだよね?
ごめんね?
「…大好き。だから…もう一回、私と付き合って…くれませんか?」
もう一回、始めよう?
「はいッス!俺も…Aの事、大好きッスよ。」
満面の笑みを浮かべた涼太の頰には、雨とは違う雫が伝っていった。
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何卒 - 祐希と付き合いたいわ…。 (2020年1月6日 20時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 祐希君イケメン過ぎ……もう付き合えよ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィア(プロフ) - 読みに来たのは2度目ですが、本当に、ゆーきくん…好きです…。 (2018年12月30日 11時) (レス) id: 43edf93385 (このIDを非表示/違反報告)
黎譁 - いい!凄くいい!何もかもがとってもいい! (2016年4月3日 1時) (レス) id: 885de11009 (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 江ノ島くぅぅぅぅん!!。貴方イケメソすぎるよ!!。 (2016年2月13日 13時) (レス) id: c145b12640 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月4日 0時