浮気 23 ページ24
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「…勝手に借りまーす。」
「誰に言ってるの?」
「え?保健室の先生。」
呆れたような顔を向けてきた祐希くんにそう返して、引き出しを漁る。
そして、ジャージとタオルを拝借した。
保健室独特の医薬品の匂いが、服から漂ってくる。
…この匂い微妙に好きなんだよね。
どうでもいいことを考えながら、奥のカーテンを閉めて中に入る。
祐希くんはこのまま保健室で5時間目をサボるようだ。
私もだけど。
正直、あんなことがあった後だ。
平然な顔をして授業には出られないだろう。
…同じクラスに、私の頰を引っ叩いた女の子がいるのだから。
「A、ほい。」
「ッ冷た!?」
着替え終わり、濡れた服を畳んでいれば、後ろから冷たい何かが頬に当てられた。
思わず叫んで後ろを振り返る。
そこには、悪戯っ子のような顔をしている祐希くん。
保冷剤、か。
「…っていうか、見てたでしょ?」
「…なんでそう思うの?」
「タイミング良すぎ。普通は校舎裏なんて来ないしね。」
バレちゃったか、なんていう祐希くんを見て、保冷剤のお礼をいう気力を無くした。
なんとなくそうじゃないかとは思っていたので、驚く事では無かったが。
「あ、それなんだけど…俺は別にタイミング計ってたわけじゃないんだよ。別に。」
「…嘘くさい。」
「本当だって…俺迷ったんだよねー。」
曖昧な言い方をする祐希くんに、思わず顔を顰める。
彼は、どこか悲しそうに笑っていう。
「あそこにさ、いたんだよねー。…キセリョが。なんで__________」
「_________なんで、Aのこと助けに行かなかったんだろうね?」
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何卒 - 祐希と付き合いたいわ…。 (2020年1月6日 20時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 祐希君イケメン過ぎ……もう付き合えよ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィア(プロフ) - 読みに来たのは2度目ですが、本当に、ゆーきくん…好きです…。 (2018年12月30日 11時) (レス) id: 43edf93385 (このIDを非表示/違反報告)
黎譁 - いい!凄くいい!何もかもがとってもいい! (2016年4月3日 1時) (レス) id: 885de11009 (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 江ノ島くぅぅぅぅん!!。貴方イケメソすぎるよ!!。 (2016年2月13日 13時) (レス) id: c145b12640 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月4日 0時