浮気 18 ページ19
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「…こんなとこにいたんだ。」
「…祐希くん。」
一瞬、期待した。
でも、やっぱり…涼太は来てくれてない。
涙に濡れた瞳を見られたくなくて膝を引き寄せて座る。
私の家の近くの公園の、ベンチ。
涼太と一緒に、何度も何度も話したここで。
私は、待っていたのかもしれない。
息を切らして、全力で走ってきて。
『ごめん』って、一言でも謝ってくれれば…って。
「キセリョじゃなくて悪いな。」
「…そーだね。」
ギリッと、ハイソックスの上に爪が食い込む。
痛いけど、痛くなかった。
もっと、もーっと…胸の方が痛くて。
「…泣くなよ。」
「泣いてないよ。」
祐希くんの言葉に間髪入れず答えて、スッと立ち上がった。
そして、無理矢理口角を上げて笑った。
「祐希くん。」
「ん?」
「…遊び行こっか。」
「…しょうがないから付き合ってあげる。」
「そりゃどうも、じゃあまずはゲーセン行こッ!」
彼の袖を引っ張って、走り出した。
祐希くんは、後ろで驚いたような声をあげたけど、振り払う様子はない。
そんな優しさが、今は泣きそうなほど嬉しかった。
どうかこの痛みが。
一時でも、忘れられるなら。
私は無理矢理、笑ってみるよ。
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何卒 - 祐希と付き合いたいわ…。 (2020年1月6日 20時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 祐希君イケメン過ぎ……もう付き合えよ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィア(プロフ) - 読みに来たのは2度目ですが、本当に、ゆーきくん…好きです…。 (2018年12月30日 11時) (レス) id: 43edf93385 (このIDを非表示/違反報告)
黎譁 - いい!凄くいい!何もかもがとってもいい! (2016年4月3日 1時) (レス) id: 885de11009 (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 江ノ島くぅぅぅぅん!!。貴方イケメソすぎるよ!!。 (2016年2月13日 13時) (レス) id: c145b12640 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月4日 0時