浮気 17 ページ18
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ふわりと漂った、爽やかな柑橘系の香り。
それは、今俺の横を通り過ぎて行った彼女の匂いに間違いなくて。
柄にもなく、動揺する。
アレ…?
俺今…"無視"された…?
今まで、一度も無かった。
Aが俺を無視したことなんて。
俺が笑いかけたら、恥ずかしそうに笑ってくれて。
楽しそうに、時には悲しそうな笑顔だって。
泣き顔だって、怒ったような顔だって。
…A?
なんで?なんでなんでなんでなんでなんで?
「おい、A!?」
廊下を走ってきたのは、江ノ島 祐希。
焦ったような表情で、俺の彼女を探してる。
「黄瀬、A見た!?」
俺の目の前に走ってきたこいつを見て、周りにいた女共が色めき立つ。
でも、俺だって負けてないはず。
いや、俺の方がカッコいいでしょ、これ。
「…さぁ?見てないッスよ。」
にっこり営業スマイルを向けて言い放つ。
動揺したような女達に視線をやって黙らせた。
「…そう。」
江ノ島 祐希が俺の横を通り抜ける。
そいつからも柑橘系の香りが香ってきたような気がした。
今すぐ腕を掴んで、殴ってやりたくなったが我慢する。
静かになった廊下。
女共を振り払って、何処かへ行けと喚き散らす。
俺一人になった廊下。
今すぐしゃがみこんで、泣きたかった。
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何卒 - 祐希と付き合いたいわ…。 (2020年1月6日 20時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 祐希君イケメン過ぎ……もう付き合えよ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィア(プロフ) - 読みに来たのは2度目ですが、本当に、ゆーきくん…好きです…。 (2018年12月30日 11時) (レス) id: 43edf93385 (このIDを非表示/違反報告)
黎譁 - いい!凄くいい!何もかもがとってもいい! (2016年4月3日 1時) (レス) id: 885de11009 (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 江ノ島くぅぅぅぅん!!。貴方イケメソすぎるよ!!。 (2016年2月13日 13時) (レス) id: c145b12640 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月4日 0時