浮気 16 ページ17
.
…涼太が、他の女の子と…?
「…おーい、A?」
吐き気がする。
頭痛が大きく鳴り響いて平衡感覚を狂わせる。
寒くもないのに足が震え、それが身体全体に感染していった。
「…そ、れ…ほんと…?」
滑稽な程震えた声が出る。
目の前の祐希くんが目を丸くした。
そんな彼に構わず、ガタリと音を立てて立ち上がる。
「…それ、本当なの?」
「うん、俺見たし。」
頷く祐希くんの目に動揺は見られない。
それが、本当だと言うことを私に伝える。
「…かえる。」
「は?」
近くにあったスクールバッグを乱雑に掴んで、ドアに向かう。
祐希くんの驚きの声が聞こえてきたが、それに気を止めることなく生徒玄関へ歩く。
「A?」
前から来たのは、私が今、最高に会いたくない人だった。
…涼太…今日も、なんだね。
何もこんなに不安定な時にまで連れてなくてもいいじゃないか。
たくさんの、女の子を。
「…涼太。」
とても久しぶりに、名を呼んだ気がした。
涼太に向かって。
彼は、気付いただろうか?
私の声が、震えていることに。
私の顔が、歪められている事に。
私の心に_______
_______ほんの小さい、ヒビが入ったことに。
「……おはようッス!」
きっとキミは、気づかないんだろうね。
私はニコッと笑う涼太の隣を、何も言わずに通り過ぎた。
涼太のことを、意志を持って無視したのは初めてだった。
…どうして、こうなったんだろう…。
642人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
何卒 - 祐希と付き合いたいわ…。 (2020年1月6日 20時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 祐希君イケメン過ぎ……もう付き合えよ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィア(プロフ) - 読みに来たのは2度目ですが、本当に、ゆーきくん…好きです…。 (2018年12月30日 11時) (レス) id: 43edf93385 (このIDを非表示/違反報告)
黎譁 - いい!凄くいい!何もかもがとってもいい! (2016年4月3日 1時) (レス) id: 885de11009 (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 江ノ島くぅぅぅぅん!!。貴方イケメソすぎるよ!!。 (2016年2月13日 13時) (レス) id: c145b12640 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月4日 0時