浮気 13 ページ13
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「もうアイツ、お前の事好きじゃないんじゃないの?」
…言っちゃった。
そう思っても、もう遅い。
言ってしまった言葉は、時間でも巻き戻らない限り取り消せない。
まあ、んなわけないんだけど。
好きじゃないわけが無い。
俺がAの手を引いて教室を出た時、強い視線を感じた。
もちろんそれは、俺の大っ嫌いなキセリョからの視線で。
嫉妬、ならまだいい。
そう感じさせるのが目的なんだから。
だが、それだけでは収まらなかったようで。
嫉妬、独占欲、嫌悪、牽制、苛立…挙句の果てには、殺意。
思わず、恐怖を感じた。
端整な顔というのは、感情を綺麗に映し出す。
殺意でさえも、綺麗に映し出したキセリョの表情はもう般若というには怖過ぎて。
きっと、子供が見たら泣き叫ぶ事だろう。
「……………………そ。」
微かに聞こえてきた声は震えていて。
少なくないショックを受けているんだろうなと大いに予想がつく。
こちらを視線だけ向けてみるA。
…泣いてんじゃん。
目には薄い涙の膜が張っていて、潤んでいた。
どれだけ好きなんだと呆れてしまうほど。
それと同時に目の前の女に対して、同情が湧いてくる。
あれは一生手離してもらえないな。
キセリョは、本気でAを愛しているのだろう。
きっと、別れなど告げてしまったらそれこそヤンデレへの道でも突っ走りそうなほど。
「…ごしゅーしょーサマ。」
…きっと、この言葉が似合うだろう
Aには。
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何卒 - 祐希と付き合いたいわ…。 (2020年1月6日 20時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 祐希君イケメン過ぎ……もう付き合えよ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 24d7937625 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィア(プロフ) - 読みに来たのは2度目ですが、本当に、ゆーきくん…好きです…。 (2018年12月30日 11時) (レス) id: 43edf93385 (このIDを非表示/違反報告)
黎譁 - いい!凄くいい!何もかもがとってもいい! (2016年4月3日 1時) (レス) id: 885de11009 (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 江ノ島くぅぅぅぅん!!。貴方イケメソすぎるよ!!。 (2016年2月13日 13時) (レス) id: c145b12640 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘夏蜜柑 | 作成日時:2015年5月4日 0時