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#84 彼なりの照れ隠し ページ37

「好きって言ってくれたら黙るよ」


「だるい」


「だるいって言える力あるなら言ってよー。たった二文字じゃん」


「めんどい」


「すーき!はい復唱!」


「死ね」




相変わらず携帯を弄りながら。

・・・・それはないでしょ。と心の中で呟いて拳を固めた。目にはジワリと涙。・・・・何泣いてるんだ私は、くだらない。そう思って彼から離れようと思った瞬間、まるで逃さないとでも言うように先程より強めの力で私に腕を回す。





「ん」





何、と聞くより先に彼の声。私の方を目だけでちらりと見るとそのまま携帯に視線を移した。それについていくように私も彼の携帯に目を落とす。







「・・・〜〜〜〜っあぁぁぁもう!だから好きっ!!」


「いだっ」







私の中にあるありったけの気持ちを表すかのように勢い良く抱きついた。平常運転な彼はこんなことでは動揺なんてしないまま、私に冷たく言葉を掛ける。





「熱ぃっての、離れろぃ」


「無理ーっ!今だけはホント許して!」






叫んでみると、彼は呆れ気味のため息をついた。









「・・・・あっそうだオッキーちゅーしようか!」









不意に思い出したこと。カグちゃんにも酷い扱い受けたし。なにより、今したい気分。






「は?」


「なんか今なら出来そうな気がするっ」


「・・・なにそれ」






呟いて、顔を歪める彼。照れ隠しなのか、本当に嫌がっているのか正直分からないので、此処はやって失敗する前に相手の気持を尊重して嫌がっているを前提に。






「じゃあほっぺでいい」


「っ!」






優しく、一瞬だけ唇を当ててニッコリと笑った。すると薄く頬を染めて、納得いかないって顔のオッキー。



それからすぐ、胸ぐらを掴まれて引き寄せられる顔。

優しく確かめ合った、お互いの気持ち。









――――多分きっと、あんな伝え方したのも、彼なりの最大の照れ隠し。









「・・・・顔真っ赤だよオッキー」



「・・・っせーよ、カス」









 









 









 





―――――"愛してる。"

#85 容易い気持ち、本物の想い→←#83 "黙らせる方法"



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御影沙羅(プロフ) - これからも、頑張って下さい!!応援してます! (2015年1月29日 20時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 御影沙羅さん» 涙してくれたなんて嬉しすぎます・・・・!!・゚・(ノД`)・゚・ ありがとうございます!これからもよろしくお願い致します(*´∀`*) (2015年1月29日 20時) (レス) id: 199452a05e (このIDを非表示/違反報告)
御影沙羅(プロフ) - 何でかわからないけど54話ぐらいから、涙があふれてきてとまらないよぉぉぉ〜!!(涙) (2015年1月27日 22時) (レス) id: efba3898be (このIDを非表示/違反報告)
栗兎(プロフ) - 美咲さん» そそそ、そうですか!?:(;゙゚'ω゚'): そう言って頂けて嬉しいです(*ノωノ)  これからもカッコいい沖田くんがかけるよう頑張りますね! (2015年1月23日 20時) (レス) id: cf9d2254e9 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - あぁ…本当に素敵だと思います。この小説。ドキドキするしキュンキュンする。 (2015年1月23日 20時) (レス) id: 03b867affd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:栗兎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kuri-Rito/  
作成日時:2015年1月6日 16時

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